リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

フランス現代音楽における重要な作曲家の一人である、リュック・フェラーリ(Luc Ferrari:1929~2005)に関する情報を主に日本語でお伝えします。プレスク・リヤン協会(Association Presque Rien)は彼の友人達によってパリで設立されました。現在もその精力的な活動の下で続々と彼の新しい作品や楽曲、映画、インスタレーションなどが上演されています。 なお、より詳しい情報は、associationpresquerien@gmail.comまでお問い合わせください

2018-01-01から1年間の記事一覧

音楽作品と作曲者の意図について   〜 リュック・フェラーリLuc Ferrari《チェンバロとテープのための共同プログラム Programme commun pour clavecin et bande》(1972)をめぐって 〜  椎名亮輔

ー はじめに ー 文学の場合 音楽の場合 音楽作品の無意味性 現代における音楽美学の見方 現代音楽作品の意味・意図 ー フェラーリ《チェンバロとテープのための共同プログラム》について ー 作曲者の言葉 「政府共同綱領Programme commun de gouvernement」…

2018年12月のリュック・フェラーリ関連イベント

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 日本では各地で暖冬のようですが、フランスでは今年は厳冬になる予報だといわれています。 来年はリュック・フェラーリ生誕90周年。 ロンドンのCAFE OTO で来年2月になんと8日間…

【ありがとうございました! Thank you for RT】「船上のピアニスト」とは誰だったのか?【御礼とご報告】

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 さかのぼること1月ほど前の10月25日、支局ツイッターに掲載した1枚の写真がかってない反応を起こしました。 この写真に関して、日本語での投稿であったにも関わらず、1000…

「フェラーリ地帯(ライン)」(第9回「リュック・フェラーリを巡る <巡らない>映画話」)

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 プレスク・リヤン協会本部のみなさんや、フェラーリについてよくご存知の方々から情報をいただいていると、時に「え〜、面白〜い(う〜ん、でも別にブログに書くほどでもないかも……)…

プレスク・リヤン賞常連!菊地成孔氏の粋な愛弟子、委細昌嗣さんインタビュー  

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。本日はプレスク・リヤン賞2013入選者の委細昌嗣さんのご登場です。 来る11月13日に、ドイツ人サウンドアーティストでプレスク・リヤン賞2015次席入賞者のヨハン(ヨハネス)・S・ジス…

2018年11月のリュック・フェラーリ関連イベント(日本)

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 11月に入り、冬の訪れをますます近くに感じることが多くなりました。 11月1日はフランスのお盆で、たくさんの人がお墓参りや親族の集いに行くそうです。 芸術の秋、今月は奈良で…

70 ANS DE LA MUSIQUE CONCRÈTE 60 ANS DU GRM(ミュージック・コンクレート70周年、GRM60周年コンサート)とピエール・アンリのコンサート(パリ)

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 今日は10月5日にパリのメゾン・ド・ラ・ラジオ(Maison de la Radio )内で開催された、ミュジーク・コンクレート70周年とGRM創設60周年を記念するコンサート「70 ANS DE LA M…

2018年10月のリュック・フェラーリ関連イベント(欧州)

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 本年の月頭のニュースもいよいよ今月を含め、後残すところ3回となりました。 日本ではまだすっきりとした秋を感じにくいですが、一方パリではファッションウィークが始まって秋の深…

リュック・フェラーリの「ダンボールからひとつぼし」(第10回:Murray PerahiaのBela Bartok(1981))

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 さすらいのコーナー「リュック・フェラーリの『ダンボールからひとつぼし』」、今回はわたくし渡辺愛が担当を仰せつかりました。 フェラーリ自身が生前に買ったり貰ったりしたレコー…

2018年9月のリュック・フェラーリ関連イベント

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 日本では夏の終わりも見えぬ気配ですが、パリでは既に朝晩に冷え込みを感じるくらいだそう。 毎月冒頭のプレスク・リヤン協会日本支局公式ブログでは、Association Presque Rien(プレ…

「プレスク・リヤン賞2017で頂点に立った、柳沢耕吉ってどんな人?」

お待たせいたしました。 昨年末開催されたPrix Presque Rien (プレスク・リヤン賞)2017でAlexandre Homerinさんと同点で、見事Premier Prixに輝いた柳沢耕吉さんのロングインタビュー、満を持して公開です! 「柳沢耕吉さん?どんな曲作るの??」 電子音楽…

2018年8月のリュック・フェラーリ関連イベント(欧州)

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 例年とはレベルの違う猛暑、また各地で起こっている事象を見ると、少しでも穏やかに季節が移り変わってくれるように願わずにはいられません。 先月のブログでも水分補給の必要を書き…

「海の日」特別企画! <リュック・フェラーリと海を聴く>

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 7月第三月曜は日本の祝日「海の日」。(2020年だけは7月23日) 調べてみると世界海洋デー(6月8日)、水路記念日(9月12日)と、水にまつわる記念日はいろいろあるよう…

2018年7月のリュック・フェラーリ関連イベント(欧州)

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 いつもより短めの梅雨もそろそろ終りが見えて、いよいよ本格的な夏が始まります。 涼しい部屋にこもっていても、適切な水分補給がなくては熱中症にかかりやすいそうですね。周囲にも…

【祝12周年】Luc Ferrariの魅力全開!プレスク・リヤン協会本部ウェブサイトはこうして楽しむ【徹底解説・保存版】

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 2006年にパリで産声を上げたAssociation Presque Rien(プレスク・リヤン協会)は、6月30日に12歳になります。 というわけで、本日は誕生月企画! 昨年の大リニューアルで大…

「受賞者が語る<Prix Presque Rien(プレスク・リヤン賞)2017>」(後編)

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 前回に引き続き、今日も「受賞者が語る<プレスク・リヤン賞2017>」(後編)として受賞者の方に、ご自身の受賞作の制作過程や、この賞の魅力について語っていただきたいと思いま…

「受賞者が語る<Prix Presque Rien(プレスク・リヤン賞)2017>」(前編)

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 リュック・フェラーリの遺した録音アーカイブを使用した芸術作品によって競われる, 二年に一度開催される国際コンクールPrix Presque Rien (プレスク・リヤン賞)。 昨年末に開催され…

2018年6月のリュック・フェラーリ関連イベント(欧州)

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 6月に入りました。 フェラーリ邸のCDが吊るされた美しい桜の木は、知る人の間ではシンボルともいえるものですが、実はこの時期にとっても美味しいさくらんぼがなる品種だということ…

2018年5月のリュック・フェラーリ関連イベント(欧州)

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 ゴールデンウィーク中のお休みを満喫しておられる方も多い中、年々時期をずらして静かめの休暇をとられる方も増えているようですね。 フランスで5月1日はメーデーで一斉休暇。また…

2018年4月のリュック・フェラーリ関連イベント(日本、欧州そしてアメリカ)

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 環境が変わって新しい希望に向けて、ときめきの4月をお迎えの方も多いのではないでしょうか。桜便りも各地から届いています。花粉も激しく舞っています。 フランスでも夏時間に切り…

コンサート&上映イベント「センバ・サウンズ 4 リュック・フェラーリ」(4月22日@ステージ空(大阪堺筋本町))

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 本日は来る4月22日(日)、15時半(開場15時)より、大阪堺筋本町のステージ空(Ku)で開催される、 「Semba Sounds 4 : Luc Ferrari - センバ・サウンズ 4:リュック・フェラーリ」…

ミラノ、アルセナーレ劇場での"Tautologos Ⅲ"コンサートのレポート

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 © Emanuela Giurano [Teatro l'Arsenale, Milano]. (左から、Andrea Cernotto, Walter prati, Gabriele Di Matteo, Sergio Almarori) 今日は3月10日、ミラノのアルセナル(アルセ…

2018年3月のリュック・フェラーリ関連イベント(欧州)

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 春の嵐とともに、少しずつ春が近づいてくる気配です。気温もそうですが、花粉で春の訪れを感じる方も多いのではないでしょうか。くしゅん。 一方パリではまだ厳寒が続いている模様で…

【講評】Prix Presque Rien (プレスク・リヤン賞) 2017  

隔年開催で、本年で4回目となる「プレスク・リヤン賞」へ全世界から届けられた応募作で、1次、2次の選考過程を経て、最終審査を通過したものは16作品あった。それら16の候補作から最終的に賞を決定する最終審査が、去る12月6日パリ時間の午後4時からナシ…

【Happy Birthday Luc Ferrari (Feb 5 1929)!!】 Concert Prix Presque Rien 2017 at La Muse en Circuit < Manga >

1929年2月5日、リュック・フェラーリはパリで産まれました。存命ならば今年89歳。 プレスク・リヤン賞2017のコンサートレポートはこちらもご覧ください。(作品の視聴リンクは下部にあります。) <Welcome to Prix Presque Rien 2017 > - マン…

2018年2月のリュック・フェラーリ関連イベント(欧州)

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 (先月“La Muse en Circuit”(「回路の詩神」協会)で開催されたPrix Presque Rien 2017(プレスク・リヤン賞2017)のコンサートと授賞式の記事はこちらからご覧ください) association-p…

Prix Presque Rien 2017 (プレスク・リヤン賞2017)の授賞式とコンサート

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 2018年プレスク・リヤン協会最初のイベントは”Prix Presque Rien "(プレスク・リヤン賞)2017の授賞式とコンサートで幕を開けました。 1月4日にパリ郊外アルフォールビルにあ…

1月のリュック・フェラーリ関連イベントの再まとめ(国内&フランス)

1月冒頭のこちらの記事を既に3回追記していたのと、新しいニュースが入ってきましたので、「再まとめ」という形で明日からのリュック・フェラーリに関連するイベントのご紹介をしておきます。 まず、いきなり明日1月27日(土)ですが、兵庫県芦屋市の芦…

リュック・フェラーリの「ダンボールからひとつぼし」(第9回:Michel Redolfi の Immersion / Pacific Tubular Waves (1980))

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 さすらいのコーナー「リュック・フェラーリの『ダンボール箱からひとつぼし』」、寒波襲来中にお届けします。 このコーナーは2013年にフランスで発見されたリュック・フェラーリ…

2018年1月のリュック・フェラーリ関連イベント(欧州)(1月20日、再追記あり)

2018年、新春のご挨拶を申し上げます。 本年も、より一層リュック・フェラーリに関するあらゆる情報をご紹介していく予定です。 さて、毎月冒頭のプレスク・リヤン協会日本支局公式ブログでは、パリのAssociation Presque Rien(プレスク・リヤン協会)の…