リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

フランス現代音楽における重要な作曲家の一人である、リュック・フェラーリ(Luc Ferrari:1929~2005)に関する情報を主に日本語でお伝えします。プレスク・リヤン協会(Association Presque Rien)は彼の友人達によってパリで設立されました。現在もその精力的な活動の下で続々と彼の新しい作品や楽曲、映画、インスタレーションなどが上演されています。 なお、より詳しい情報は、associationpresquerien@gmail.comまでお問い合わせください

2023年10月のリュック・フェラーリ関連イベント(欧州)

 

全国2万5千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。

いよいよ本格的な秋到来となりました。

 

 

当プレスク・リヤン協会日本支局公式ブログでは毎月冒頭にフランスのAssociation Presque Rien(プレスク・リヤン協会)本部の公式ウェブサイトの掲載情報に基づき、当月開催されるリュック・フェラーリイベントや最新ニュースを日本語でお届けしています。

 

 

今回は2023年10月に予定されている3本のイベント予定に続き、ヨーロッパからの最新ニュースをお届けします。

 

 

今月9日には先月の月報でも先読みとしてお届けした通り、大阪にてリュック・フェラーリ作品<Cellule 75 >が演奏されました。

 

続いて18日にはパリ11区のバー<Le Chair de Poule>で、リュック・フェラーリ作品<Société 1 (1965)>が上演されます。

タイトルが想起させるように、観客と演奏者に境界をもうけず、それでいてだれもが演者として参加するという、非常に意欲的な作品です。最近では昨年の“La Muse en Circuit”(「回路の詩神」協会)の設立40周年の記念フェスティバルで演奏されました。

今回がどのような演奏/上演になるのか、楽しみですね。

 

26日にはベルリンの<Studiofoyer Akademie der Künste>においてBerliner Künstlerprogramm of the DAADの協力による

<Presque rien (Nº 1) ou Le lever du jour au bord la mer>の演奏があります。

 

さて、先月29日と30日の両日、スイスのビール/ビエンヌ(Biel/Bienne)においてリュック・フェラーリフェスティバル<Soirées Luc Ferrari >が開催されました。

先月の月報でも紹介したイメージポスターやポストカードが市内の広告塔はもちろん、レコード店やバーやレストラン、ホテルや映画館などたくさんの場所に設置されていたということです。

またこのスイスのリュック・フェラーリのフェスティバルは地元紙<Bieler Tagblatt>でも文化面のまるまる1ページを使って大きく取り上げられました。

 

 

フェスティバルはコンサートおよび映画上映が行われた<Le Singe>と、自由討論会と実演検討会が開催された< Gärbi>の2会場が準備されました。

Le Singeでは二日にわたり

 

・Tautologos I (1961) – electronic music (5′)

・Collection de petites pièces ou 36 Enfilades pour piano et magnétophone (1985) (45′) – Gilles Grimaitre

・Archives Sauvées des Eaux (2000) – for two audio performers (50′) – eRikm, electronics / Gaudenz Badrutt, electronics

 

Visage I (1956) for piano (6′), Gilles Grimaitre

Visage V (1959) – Musique concrète (11’)

・Tautologos III (1969) – for ensemble and tape (30′) –  Bruit-Group for Music Creation: Gaudenz Badrutt, electronics / Estelle Beiner, violin / Jacques Demierre, piano / Jonas Kocher, accordion / Stephen Menotti, trombone / Manon Pierrehumbert, harp / Christian Wolfarth, percussion

・Chronopolis I (1982) – Film (Stop-Motion-Sci-Fi) by Piotr Kamler, music by Luc Ferrari (duration 52′)

・Presque rien No 2 « Ainsi continue la nuit dans ma tête multiple » (1977) – tape (21′)

という構成で上演されました。

 

また現地では9月の後半週でサポートプログラムも行われ、eRikmによる即興ワークショップ、 Estelle Beinerによる詳細なTautologos III ワークショップなども開催されたということです。

Gaudenz Badrutt と Jonas Kocherの尽力によって開催されたこの非常に意欲的なリュック・フェラーリフェスティバルは大盛況となったそうです。