全国2万5千人のリュック・フェラーリ、ファンのみなさま、こんにちは。
今日は来る5月23日にパリ市内にあるCDMC(Centre de documentation de la musique contemporaine=現代音楽資料センター)で行われるシンポジウム『リュック・フェラーリと現実的なものによる作曲』の紹介です。
イベントの開催時間などの詳細についてはこちら(仏語)
Luc Ferrari et la composition du réel | Cdmc
『リュック・フェラーリと現実的なものによる作曲
1963年に、リュック・フェラーリが彼の作品《異型接合体》の中で、当時の音楽上の実験から生まれた抽象的な音響のただなかに、出自のそれとわかる現実的な音響を導入したとき、それは一種の「革命」だったのだ。それほど、そこで獲得された自由さが、当時は挑発的で、時の「法律」に反していたのである。
それから50年が経った。そして現実音の使用は自然なものとなり、作曲のひとつの部門全体を形作るまでになり、ついには完全に独立した芸術ともなった。フィールドでの録音、サウンドスケープ、ラジオのための創作などなど……、あらゆる分類の試みが為されて来た。しかし、そのような命名の彼方に(問題は残る)。
つまり、どのように今日の作曲家たちは、この(ジャンルの)展開を証するのか。どのような方法で、彼らは現実音を使っているのか。今日のテクノロジーは、この創作方法によりよく対応した道具を、どのように提供しているのか。
作曲家を、あるいは「音のジャーナリスト」(リュック・フェラーリが言っていたように)に、あるいは新しい音響空間の幻視者(音楽的と言われるような音響とそうでないものとに優劣を付けないで、最終的に全体として扱うような)にするような、音楽ジャンルにどのような未来があるのだろうか。
アラン・サヴレ(作曲)、エリック・ラ・カサ(音響アーティスト)、ミシェル・リッス(作曲、「デコール・ソノール」芸術ディレクター)、エリック・アベカシ(作曲)が参加します。』
なお、このシンポジウムをコーディネートされるのは「回路の詩神」協会の会長、作曲家のダビッド・ジス氏(プレスク・リヤン協会会長)です。
パリのCDMCは現代芸術を研究する上で、昨今ますます重要な位置を占めているとのことで、そのような場所でリュック・フェラーリを取り上げたシンポジウムが開催されることからもわかるように、今なおリュック・フェラーリの作品は、音楽の土壌にますます根を張り巡らし続けているといえるでしょう。
またこのシンポジウムについて何か情報が入りましたら、お伝えしたいと思います。
なお、CDMCについてもっと詳しく知りたい、ぜひ行ってみたい、という方はこちらのリンクからお入りください。
【関連過去記事】
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