(2016-12-4:追記)
こちらは2015年度に開催されたプレスク・リヤン賞2015の応募詳細記事で、prix Presque Rien(プレスク・リヤン賞2017)の応募詳細とは大幅に異なります。2017年9月締め切りのプレスク・リヤン賞2017にの応募詳細については以下のリンクをご参照ください。
PRIX PRESQUE RIEN 2017(プレスク・リヤン賞2017)の募集詳細 - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)
全国2万5千人超のリュック・フェラーリファンの皆様、こんばんは、おまたせいたしました。
いよいよリュック・フェラーリのサウンド・アーカイブスを使った2年に一度の国際コンクール『プレスク・リヤン賞2015』(PRIX PRESQUE RIEN 2015)の情報の詳細が上がってきました。
プレスク・リヤン協会本部のウェブサイトでのプレスク・リヤン賞に関する英仏語版情報は既に更新されており、日本語のニュースページも間もなく更新されます。
本日はこの賞について詳解していきます。既に応募を決められた方だけではなく、今応募を考えておられる方も必見です!
~本日の内容の簡単なまとめ~
①プレスク・リヤン賞とは2年に一度開催されるリュック・フェラーリの録音アーカイブスを使った国際コンクール。本年度は「プレスク・リヤン賞2015」が開催される。プレスク・リヤン賞に選出された作品には1000ユーロが贈呈され、またそれ以外の優秀作にも海外のラジオ放送やコンサートで上演されるなどのチャンスがある。
②応募に当たってはプレスク・リヤン協会本部ホームページのサウンド・ファイルを試聴し、高音質ファイルを申し込んだ上で制作し、規定のフォーマットで応募する。
③サウンド・ファイル請求の際に出品料が必要となる。(日本からは2000円、ただしプレスク・リヤン協会の年間会員は無料)
④作品の制作、出品の際などに細かい注意点がある(本文参照)
『プレスク・リヤン賞』については、一昨年の『プレスク・リヤン賞2013』、並びに昨年世界各地で開催されたイベントなどでその名前をご存知の方も多いかと思いますが、3回目となる今回はいくつか重大な変更点がありますので、今日はこの国際コンクールを初めて知る方という方だけでなく、再び応募いただく方にもこの賞について改めて説明していきます。
〜プレスク・リヤン賞について〜
この賞はリュック・フェラーリ(Luc Ferrari)夫人であるブリュンヒルド・フェラーリ女史(Brunhild Ferrari)によって創設され、プレスク・リヤン協会の運営の下で、隔年に1回開催されています。本年2015年は開催年です。
なお、プレスク・リヤン協会についての基本的な情報、また入会の方法については、こちらをご一読ください。
「プレスク・リヤン協会」(Association Presque Rien)案内 - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)
プレスク・リヤン賞は、リュック・フェラーリのいくつかのサウンド・アーカイブから新たに作品を作りたい方、また新たな音楽のプロジェクトにこれらのサウンド・アーカイブを使いたいクリエイターを対象に、優秀な作品を募集するコンペティションです。
プレスク・リヤン賞2015受賞作(1名)には1,000ユーロ(130円換算で13万円)が授与され、協会サイトへ受賞者名が掲載されます。
以上が概要となります。
続いて変更点を見ていきましょう。
まず今年度は“クリエイター”が対象である、と明記されました。
前回の応募では「作曲家(の作品)」が中心となりましたが、今回は応募可能なフォーマット(映像、もしくは音声ファイル)に沿うものであれば、『楽曲』以外のジャンル・メディアの作品も参加することができることを改めて告知することになりました。
美術家や映像作家を始めとしたクリエイターの方々にも門戸を開き、クリエイターがその技術と能力をいかんなく発揮することで、リュック・フェラーリの持つ可能性を広く試みることができるのが、この賞の持つもう一つの特徴とも言えるでしょう。
【応募の条件】
応募の流れとして、まずプレスク・リヤン賞に応募するための作品にはリュック・フェラーリのテープ・アーカイブ(サウンド・ファイル)を使っていることが必要で、そのファイルからの着想を得て作品を制作することが条件になっています。(なお応募条件には年齢や国籍、経験などの条件制限はありません)
なお今回より、応募にあたりまして出品料を申し受けることになりました。
ファイルを請求する時点でプレスク・リヤン協会の年間会員になっておられる方は無料ですが、それ以外の方は2,000円(日本からの出品の場合)をサウンド・ファイルの使用請求の際に振込いただくことになります(サイト上での試聴は無料です)。これについては後で詳述します。
【応募の下準備その1:ホームページにアクセスしよう】
応募に使用するためのサウンド・ファイルの試聴は、サイト上でどなたでも無料でできます。まずは音を聴いて創作イメージを膨らませましょう。
1)フランスのプレスク・リヤン協会本部ホームページ LUC FERRARI にアクセスします(注:少し重いです。また音量に注意してください)
2)トップページはこんな感じです↓。フランス語か英語かを選択して、ホームに入ってください。
3)CDがいっぱい出てきます。その中に一つだけ、やや沈ませた色調でテープリールのアイコンがおいてあります。そこがPRIX PRESQUE RIEN2015のコーナーの入り口となります。クリックしてください。
4)賞の詳細ページに入りました。liste des sons d'archives(フランス語)またはlist of sound archives(英語)をクリック。(ちなみにその横には日本語の応募要項pdfをダウンロードするコーナーや、前回&前々回の賞についてのページが並置されています。こちらも是非どうぞ!)
5)サウンド・ファイルのリストが出てきます。
このサウンド・ファイルはリュック・フェラーリのテープアーカイブをデジタル化するときに収集されたものです。
リストを閲覧したり、使用可能なファイル(mp3方式)を試聴したりすることができます。
【応募の下準備その2;使用したいサウンドを申請し、ファイルを受け取ろう】
作品制作に使用するサウンドが決まったら、次に本作成に向けて、高音質なサウンド・ファイルを手に入れましょう。(注:サイト上のmp3音源は試聴用であり、これらを出品作に使用することはできません)
出品者は brunhild.ferrari@orange.fr までメールでサウンド・ファイルの使用の申請を送ります。
申請書のフォーマットなどは特にありませんが、申請のメールには必ず
・メールの件名を「Prix Presque Rien 3」とする
・メール本文に受け取りたいサウンド・ファイルの番号を書く
以上を忘れずに書いて送信してください。
(注1:本部には日本語のわかるスタッフはおりませんので、英仏語もしくはドイツ語でお願いします。簡単なあいさつ&使用希望の旨&サウンド・ファイルの番号&末尾にお名前…といった簡易な文章で構いません)
(注2:作曲作品や映像作品ではない形式での応募を考えておられる方で、応募の形式等に関して迷っておられる方はくれぐれもファイルの申請前に問い合わせのメールを出して回答を得ておかれるようにお願いします)
【応募の下準備その3;出品料について~年間会員は無料、それ以外の方は2,000円をPayPalまたはゆうちょへの振込で~】
上記の使用申請を行う際、出品料の振込をします。
前述の通り、使用申請のメールをされた時点でプレスク・リヤン協会の年間会員になっておられる方は無料です。出品料振込の必要はありません。
この無料の措置はファイル請求時点で年間会員の手続きが完了しておられる方が対象ですので、現在時点で年間会員でない方でもファイル請求を行う前に入会手続きを済ませておかれれば、出品料は不要ということになります(プレスク・リヤン協会の会費は年間30ユーロ~となっております。会員の方には未公刊CDのプレゼント、また随時ニュースレターやイベント、CD購入に関する割引などの特典がございます。入会の詳細につきましてはこちらをご覧ください。また日本支局までメールでお問い合わせいただいてもOKです)。
年間会員以外の方は『PayPal』というオンライン送金システムで、2,000円を振込んでください。
『PayPal』はクレジットカード(または銀行のキャッシュカードでPayPalサービスに対応するカード(例:スルガ銀行、りそな、ジャパンネットバンク等))を持っていれば、相手先のメールアドレスひとつで送金ができるサービスです。
『PayPal』の日本語サイトを参照された上でアカウントを作成し(無料)、サウンド・ファイル使用申請時の宛先と同じアドレスに向けて、2,000円を送金すれば、出品料の振込は完了です。送金される際には必ず
・fee of prix presque rien 2015
・あなたのお名前(アルファベットで)
をメッセージ欄に記入することをお忘れなく(この2点が記入されていない場合は振込の確認がとれませんのでサウンド・ファイルを受け取れない場合があります)
一回の申請により複数の作品を応募される場合でも、出品料は2,000円です。
また、一度振込まれました出品料につきましてはいかなる場合においても返金いたしません。お振込の際はご注意ください。
ただ「『PayPal』のサイトを見たけど、海外送金は初めてだしよくわからない…」「対象となるカードを持っていないから、アカウントが作れない…」という方もいらっしゃるかもしれません。その場合はプレスク・リヤン協会日本支局のゆうちょ口座に振り込んでいただくことも可能です(プレスク・リヤン協会への入会についても同様です)
ゆうちょによる手続きについては associationpresquerien@gmail.com までお気軽にお問い合わせください。
なお、言うまでもないことですが、プレスク・リヤン協会の年間会員であるかどうかは審査に関係ありません。審査は出品者名を伏せた状態で厳正に行われ、作品の質のみが選考の対象となります。
使用申請を送ってしばらく(最大一週間程度のタイムラグがあります)すると、本部から出品者に向け、折り返しダウンロードの方法についての簡単な返事があります。(メール送付後、一週間から10日たってもプレスク・リヤン協会本部からの連絡がない場合は、メールが正常に届いていない場合がありますので、お手数ですがメールにてその旨お問い合わせください。また本部には日本語対応のスタッフはおりません。簡単な文章で結構ですので、くれぐれも英語、仏語、またはドイツ語でメールをお送り下さい)
【いよいよ作品制作】
ダウンロードしたサウンド・ファイルを受け取ったら、後は自由自在。あなたとリュック・フェラーリの世界です。
【応募先】
できあがったらいよいよ応募。この応募に関しては郵送で承ります。宛先は以下となります。
Brunhild Ferrari
56, Avenue Paul Signac
93100 MONTREUIL, France
【応募セットの確認をしておこう】
応募にあたっては必ず控えをとった上で、作品以外に
1、履歴書 ※1
2、作品の詳細な解説を添えたファイル、略歴 ※1
3、使用音源(リュック・フェラーリ・アーカイブの中から使用した音)を記したもの
を添付してください。
※1 作品解説や略歴などはスキャンされ、後にプレスク・リヤン協会本部サイトで公開される可能性があります。そのため一般に公開してもよい連絡用メールアドレスやホームページのアドレスと、公開されたくない住所や電話番号などの個人情報は応募者自身の責任でそれぞれ紙を分けるなどして作成し、その旨をきちんとメールで申告しておかれることをおすすめします。
【ギリギリの応募は避けよう】
プレスク・リヤン賞2015の締め切りは2015年9月30日です。なお、応募規約では『当日消印有効』となってはいるものの、郵便事情や事務局での処理の都合などを考慮した場合、海外(日本)からの送付には9月30日に必着のイメージで応募なさった方が間違いがないと思います。
【審査】
プレスク・リヤン賞は応募された作品に対して、優秀なる音楽家で構成される審査委員会による厳正な審査を経て決定されます。
受賞者には2015年の12月15日以降に通知がなされ、受賞作品には1000ユーロが贈呈されます。
アトリエ・ポスト・ビリッヒ/プレスク・リヤン協会本部(パリ11区)
【注意その1:作品ができたら】
出品者は作品の公開にあたってはプレスク・リヤン協会(Association Presque Rien)の著作物を使用して制作されたものであることを明らかにする必要があります。このため応募作品の著作権は出品者にありますが、作品の上演・掲載・発表・著作権申請等をされる際には必ずサウンドを作ったリュック・フェラーリ(Luc Ferrari)の名前と、サウンド・ファイル名(プレスク・リヤン賞によって利用可能となった音源)を併記してください。
【注意その2:作品に関する注意】
1)プレスク・リヤン協会は公式ホームページにおいて応募者の同意を得て、すべての応募者の名前を掲載します。
2)受賞作品の契約は受賞者とプレスク・リヤン協会の間で締結され、その作品の一部または全部が公式ホームページに掲載される他、コンサートや放送といった形で上演されます。
3)他の応募作品についても上演、放送されることがあります。
4)繰り返しになりますが、出来上がった作品の著作権に関しては基本的に作者にありますが、上演ならびに著作権の申請に際しては必ず『リュック・フェラーリの音源を使用したこと』、および『この音源はプレスク・リヤン協会主催によるプレスク・リヤン賞の選考によって使用可能になった音源である』という点を申し添える必要があります。(ダウンロードされた音源の使用はあくまでプレスク・リヤン賞に応募することを前提にしたものであり、プレスク・リヤン協会ならびに主催者が無条件の使用を許可しているものではありません)
……以上、応募の流れに沿ってみてきました。
リュック・フェラーリが生涯をかけて収集したサウンドから、新しい作品を生み出す~これはリュック・フェラーリ自身の、芸術の自由を愛する精神を反映している~とも言えるでしょう。
応募作品の長さや使い方は自由。違う言い方をすれば「今、一般的に考えられている『作曲』作品」でなくてもよいとも言えます
前回の『プレスク・リヤン賞2013』はフランス、ヨーロッパのみならず、北米北欧や中近東など、世界各地から100を超える作品の応募がありました。
その中から3位に佐藤亜矢子さんの作品”small stroll”が選ばれ、また最終選考にも日本からの応募作品が多く残ったことで、世界的に見ても日本の音楽家がこの分野において一定以上のレベルに到達していることが証明されてきたのはご承知の通りです。
また、昨年日本で開催されたプレスク・リヤン賞2013のコンサートで行われた川崎弘二、檜垣智也、椎名亮輔(同志社女子大学)、また小沼純一、檜垣智也、椎名亮輔(武蔵野美術大学)各氏による鼎談はこの賞についてだけではなく、応募作品を製作するに当たってのヒントがいっぱい詰まっていると思います。
鼎談映像はここからチェックしてください!
特報!Vimeoでプレスク・リヤン賞2013コンサートの鼎談が一挙公開! - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)
また応募された作品はラジオ・フランスを初めとして、世界各地でのコンサートや放送で紹介されています。今年の『プレスク・リヤン賞2015』の作品もそのような世界中からの質の高い作品で争われることになるでしょう。
作曲経験を含め、応募に際して 以前の経験は不問です。2年に1度の開催ですので、ためらうことなく、積極的にこのチャンスに挑戦なさることをおすすめします!
なお、賞に関しての具体的なお問い合わせは英仏、または独語で brunhild.ferrari@orange.fr までメールにてお問い合わせください。
また、日本語の情報としては今後も当ブログ リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)やtwitterで発信して参ります。引き続きご注目ください。
みなさまのご応募を、心よりお待ちしております。
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