リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

フランス現代音楽における重要な作曲家の一人である、リュック・フェラーリ(Luc Ferrari:1929~2005)に関する情報を主に日本語でお伝えします。プレスク・リヤン協会(Association Presque Rien)は彼の友人達によってパリで設立されました。現在もその精力的な活動の下で続々と彼の新しい作品や楽曲、映画、インスタレーションなどが上演されています。 なお、より詳しい情報は、associationpresquerien@gmail.comまでお問い合わせください

フランスでのプレスク・リヤン賞2015(prix Presque Rien 2015)コンサートと賞状授与式

 

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。

 

 

【ここでお知らせです !!

リュック・フェラーリ センチメンタル・テールズ 

3月刊行、日本語で読めるリュック・フェラーリ入門の決定版、『リュック・フェラーリ センチメンタル・テールズ──あるいは 自伝としての芸術』が出版されます。ご予約・詳細は上のリンクをクリックしてください。お知らせはこちら。

【告知】ついに出版!『リュック・フェラーリ センチメンタル・テールズ──あるいは自伝としての芸術』(予告)

 

 

 

昨年12月11日、パリ郊外アルフォートビルにある“La Muse en Circuit”(「回路の詩神」協会)で3回目となるプレスク・リヤン賞(prix Presque Rien 2015)の賞状授与式およびコンサートが開催されました。本日はその模様をお伝えしていきたいと思います。

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 (シンプルながらも効果的な照明)

 

今回のプレスク・リヤン賞2015のお披露目はリュック・フェラーリが設立した「回路の詩神協会」のコンサートホールで開催されました。

 

“La Muse en Circuit”(「回路の詩神」協会)についてはこちらの記事からどうぞ。

「フェラーリ地帯(ライン)」(第4回;La Muse en Circuit (回路の詩神協会) - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

 

国立音楽創作センターとして国立の機関へ参画して以来、研究教育機関としての機能を強化しつつある“La Muse en Circuit”(「回路の詩神」協会)は同時にここ数年、主にパリを中心として大掛かりなイベントを仕掛けており、リュック・フェラーリに関するものとしては昨年4月にベルナルダンで行われた「没後10年~リュック・フェラーリコンサート~」を大成功させるなど、近年その存在感と発信力をますます強めています。

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(改装なったエントランス)

 

昨年は前会長ダヴィッド・ジス時代に構想されていた「スタジオ ジョン・ケージ」のコンサートホール化を含む大掛かりな改装が新会長ヴィルフリード・ヴェンツレン氏の下で結実し、10月にこけら落しを終えたばかりの会場が、今回のプレスク・リヤン賞2015のコンサート会場となりました。

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(設営中の会場)

 

今回は会場がパリから小一時間ほどの郊外にあることやコンサートホールの定員が少ないこと(さらにパリ事件以来の社会情勢的な事象もあったと思われますが)などから告知も控え、さらに招待のお客様もぐぐっと絞り込んでのお披露目となりましたが、会場は座席を追加するほど盛況で、コンサート前後にはサロンで振る舞われるウエルカムドリンクを楽しみながら、最後までとてもよい雰囲気の中でのお披露目になったそうです。

 

 

今回会場にはspecial mention(次席)に選出された "Passage_vertical_Paysage"の作曲家Johannes S. Sistermanns(ヨハン・S・ジスターマン)さんや、Nominé(e)(入選)に選出された”memoires de femmes, paysage, passage" Laurence Bouckaert(ローレンス・ブーカールト)さんも来場し、ブリュンヒルドフェラーリさんから賞状を授与されました。

(本年のプレスク・リヤン賞prix Presque Rien 2015)は日本の梅沢英樹さんの作品”Le Néant”が受賞しました。梅沢さんの賞状授与はこちらのリンクからどうぞ)

 

【報告】201512月、京都でのリュック・フェラーリ関連イベントレポート - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

 

 

コンサートの前に今回のプレスク・リヤン賞2015の審査員およびプレスク・リヤン協会を代表してダヴィッド・ジスさんとブリュンヒルドフェラーリさんからの簡単なスピーチがありました。

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 (スピーチを行うダビッド・ジスさんとブリュンヒルドフェラーリさん)

 

プログラムはもうひとつの次席作品”To bee or not to bee”(Lisandro BARBATO,リサンドロ・バルバトさん)、ならびに入選の全3作を含む以下の通りです。

今回、演奏はMOTUSの協力により、アクースモニウムで行われました。

 

 

 

Première partie(第一部)

 

 

Hideki UMEZAWA

1er Prix

Le Néant 5’18 

 

 

Lisandro BARBATO  

Mention Spéciale

To bee or not to bee ) - 9'49

I. METAMORPHOSE (HUMAN TO BEE) - 2'01

II. COURONNEMENT - 5'55

III. ESSAIM, RUCHE, LABYRINTHE EMOTIONNEL (BEE TO BE) - 9'49

 

 

Johannes S. SISTERMANNS 

Mention Spéciale

Passage_vertical_Paysage – 9’10 

 

 

 

 

 

休憩

Seconde partie(第二部)

 

 

Manfredi CLEMENTE 

Nominé 

La boucle - 11’10

 

 

Manuella BLACKBURN

Nominée

Presque mon son - 9’

 

 

Laurence BOUCKAERT

Nominée

Mémoires de femmes, paysage, passage – 12’

 

 

 

 

 

ローレンスさんはご自身で演奏されましたが、それ以外の曲は昨年パリで開催された「Collège des Bernaridin」および「Concert-hommage à Luc Ferrari” 」という2つの大きなリュック・フェラーリのイベントでも演奏されたMOTUSのジョナタン・プラジェさんが担当しました。

 

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(左からヴィルフリード・ヴェンツレン会長、ブリュンヒルドフェラーリさん、ジョナタン・プラジェさん)

 

既にFrance Cultureでプレスク・リヤン賞2015の作品が特集放送されましたが、今後も世界各地での演奏や上演が期待されるところです。

 

【参考過去記事】

 

プレスク・リヤン賞 カテゴリーの記事一覧 - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

 

 

【緊急企画!】プレスク・リヤン賞2015 受賞者・梅沢英樹さん単独インタビュー - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

 

 

 

名古屋のコンサートのお知らせと、Collège des Bernaridinでのコンサートレポートです! - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

 

 

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