リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

フランス現代音楽における重要な作曲家の一人である、リュック・フェラーリ(Luc Ferrari:1929~2005)に関する情報を主に日本語でお伝えします。プレスク・リヤン協会(Association Presque Rien)は彼の友人達によってパリで設立されました。現在もその精力的な活動の下で続々と彼の新しい作品や楽曲、映画、インスタレーションなどが上演されています。 なお、より詳しい情報は、associationpresquerien@gmail.comまでお問い合わせください

【速報ルポ】プレスク・リヤン賞2013コンサート(東京:武蔵野美術大学)の報告です

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。

 

お待たせしました、今日は10月2日に東京小平市武蔵野美術大学の12号館ビデオアトリエで開催されました、クリストフ・シャルル研究室主催の課外講座「リュック・フェラーリと世界の電子音楽~プレスク・リヤン賞をめぐって~」のルポが入って参りましたので、その模様について簡単にお伝えしていきます。

 

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(会場前方を臨む)

 

今回のコンサートは先日京都、同志社女子大学で開催されたプレスク・リヤン賞2013コンサートとちょっと違ったプログラムとなっていて、前回オープニング&インターミッションだった小野寺隼平さんの作品が演奏プログラム内に入り、代わって森藤竜平さんの作品がオープニング&インターミッションになりました。

プログラム詳細についてはこちら、またコンサートプログラム詳細についてはこちらをご覧ください。

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 公式ポスター

 

 

このビデオアトリエは武蔵野美術大学NHKが共同で制作したアトリエで、写真で見ると照明が吊るされていて、大変迫力のあるアトリエだということがわかります。

 

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またこのアトリエでは3年前にリュック・フェラーリの映像インスタレーションである『思い出の循環』"cycle des souvenirs"が日本で初めて上演されたことをご記憶の読者の方もおられるかもしれません。

 

 

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今回はさすが美術大学という環境もあって、授業時間内にも関わらず学内からも熱心な学生の方が多数訪れ、また学外からの音楽愛好家の方などを含め、計60人を越えるお客様がいらっしゃったということです。

 

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上の写真を見ていただければ分かる通り、今回は同志社女子大学とは構成がやや違った形でアクースモニウムが設置されていました。

こうやって会場ごとにその特性に合わせ、最適な形でアクースモニウムを構成、設置できるのもアクースモニウムの魅力のひとつだということです。

 

今回も檜垣智也さんがアクースモニウム演奏を担当されました。

檜垣さんが武蔵野美術大学にいらっしゃるのは初めてということでしたが、玉川上水関東平野を望む武蔵美の環境の素晴らしさや皆さんのホスピタリティに上演前のリハーサルから鼎談まで、終始感動しておられたそうです。

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www.musicircus.net 檜垣さんのウェブサイトです。

 (支局ツイッターハッシュタグ#アクースモニウムって何ではアクースモニウムについて少しづつ説明しています)

 

 会場が京都と比べてコンパクトだったため、しっかりとアクースモニウムの演奏を見ることもできたようですし、また音もコンサートホールとアトリエでまったく違っていてとても面白かったとのこと。

 

会場では一曲終わるたびにお客様からしっかりとした拍手が上がっていました。また今回も作曲家の方に来場して戴けたので、みなさんが自分たちの作品についての手応えを実際に感じ取っていただけたそうです。コンサートの醍醐味ですね。

 

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 さて、同志社大学での川崎弘二さんを迎えたスペシャル企画に続いて今回も終演後ゲストに文芸批評家の小沼純一さん、プレスク・リヤン賞2013の審査員をつとめた椎名亮輔さんと演奏の檜垣智也さんによる特別鼎談が行われました。

(写真左から、椎名亮輔さん、小沼純一さん、檜垣智也さん)

 

今回の鼎談では「音の存在と視線の問題」や「アクースモニウムの中にあるクラッシック的所作」といった話から、ちょっと脱線した電子音楽話までと、さまざまな話題で盛り上がったとのこと。

写真も楽しそうですね。

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さらに今回の鼎談は主催のシャルル・クリストフさんが会場でマイクを積極的にコーディネートされたこともあり、最後までとても熱を帯びたものとなったそうです。

 

その結果、終了時間は予定を大幅に上回ったのですが、来場いただいた皆さんはそれぞれ大いに刺激を受けてお帰りになったそうです。

このような素晴らしいイベントを開催していただけたシャルル・クリストフさんと関係者の皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。

  

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さて、武蔵野美術大学ではこの後、10月17日にリュック・フェラーリ夫人であり、作曲家であるブリュンヒルドフェラーリさんの来日によるスペシャルイベント、リュック・フェラーリ監督による「少女たちあるいはソシエテⅢ」出演作品の「スポンタネⅣ」の特別上映とトークが開催されます。

こちらはこれまで日本未公開で、通常ではほぼ見ることのできない作品というだけではなく、ブリュンヒルドさんによる解説とトークがあるという素晴らしい特別講座(無料)ですので、ぜひこの機会にご覧いただければと思います。(なお関西では同志社大学で10月21日と28日にさらに「ほとんど何もない、あるいは生きる欲望」を加えた上映がございます!こちらも見逃せない素晴らしい作品です!)

ブリュンヒルドフェラーリ夫人の来日コンサート、並びに上映&トークの予定詳細はぜひこちらをご覧ください。

ブリュンヒルド・フェラーリ、本年10月来日決定! - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

 

武蔵野美術大学での上映にはFacebookページがございます。まだ出来立てですので、アカウントをお持ちの方はぜひともどんどん共有およびクリックしていただければと思います。

 

http://on.fb.me/1yqiIV6 リュック・フェラーリ特別上映&トーク)

 

 

いよいよ来年は新しいプレスク・リヤン賞2015が開幕する予定です。

応募要項などは引き続きこのブログでご案内していきますので、ぜひご注目ください。 

 

 

プレスク・リヤン賞2013コンサート「リュック・フェラーリと世界の電子音楽~プレスク・リヤン賞をめぐって~」は皆様の熱意とご協力により、若き作曲家の方、そして来場いただいたすべての方に、改めて音楽芸術の素晴らしさを伝える一助となることが出来たかと思います。

 

今後もパリのプレスク・リヤン協会本部とともに、継続してさまざまな企画を進行していきたいと思っています。

 

また鼎談部分につきましては今後ご紹介する予定にしています。ぜひご期待ください。

 

 

改めて今回のコンサートにご来場いただきました皆様、またご協力いただきました関係各所のみなさまにこの場を借りまして御礼申し上げます。

 

ありがとうございました。

 

【関連過去記事】

 

 プレスク・リヤン賞2013コンサート(京都)速報ルポ - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

 

リュック・フェラーリと世界の電子音楽~プレスク・リヤン賞をめぐって~(プレスク・リヤン賞2013コンサート)作品と作曲家の紹介(序盤) - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

 

 

リュック・フェラーリと世界の電子音楽~プレスク・リヤン賞をめぐって~(プレスク・リヤン賞2013コンサート)作品と作曲家の紹介(中盤) - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

 

 

リュック・フェラーリと世界の電子音楽~プレスク・リヤン賞をめぐって~(プレスク・リヤン賞2013コンサート)作品と作曲家の紹介(終盤) - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)