全国2万5千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。
先日お知らせしましたBrunhild Ferrariコンサートは大成功だった模様です。
<CARTE BLANCHE À BRUNHILD FERRARI >
日時:11月15日午後8時(フランス時間)
場所:パリ郊外アルフォールビル “La Muse en Circuit”(「回路の詩神」協会)
https://www.billetweb.fr/carte-blanche-brunhild-ferrari
ルーク・フォウラーによるブリュンヒルド・フェラーリを主題にした2本のフィルム N'importe quoi (pour Brunhild) (2023, 9 min) 、および N'importe quoi (2024, 11 min)の上映、ルーク・フォウラーとダヴィッド・グラブス(とブリュンヒルド・フェラーリのサウンド提供)による協働パフォーマンス、そしてブリュンヒルド・フェラーリによるBrumes du réveil の上演というプログラムだったわけですが、このうちBrumes du réveilがフルでライブ配信されました。
そしてなんと!このライブ配信、アーカイブが残っております!YouTubeで視聴できるんです!
日本時間では午前4時がライブ配信時間だったということで、惜しくもリアタイできなかったファンも多いのではないでしょうか?これは吉報ですね。
ブリュンヒルド・フェラーリという作曲家の、音に対する直感的で細やかな手つきは本作の聞きどころの一つ。触れられるはずのない夢に触れたかのような鋭敏な感覚を想起させます。と同時に立ち顕れる不思議な温かさも、作曲家のパーソナリティゆえんでしょうか。映像との調和も非常にカッコイイので是非ともご覧いただきたいと思います!
この翌日にはブリュッセルでも公演があり、ブリュンヒルド本人の出演は残念ながらなかったものの、Les Ateliers Clausでのコラボレーションステージは素晴らしいものになったと、ダヴィッド・グラブス氏はSNSで報告しています。さらにこの後ベルリンにも渡り、Rosa Barbaでのギグも大成功だったとのこと。
↑グラブス氏のinstagramより
おわりにBrumes du réveilの楽曲解説をご紹介します。
[目覚めの霧~現実という名の記憶と断片の迷路の中で~]
目覚めたばかりの私を包む霧は、生まれたばかりの日を染め、私の夜行性の迷いと存在の幻想の間の揺れを宿した。
夜を出れば昼は現実なのか?
どこから始まるのか?
目覚める前の優柔不断な一日よりも、キメラに占領された一日の方がリアルなのか?
Lucが残したであろうガイドラインはもうない。そのため、自分の直感と欲求にしたがって一人で航海した。本作では過去と現在の音のテイクを織り交ぜている。
夜明けの賑わい - 躊躇 - 一日を貫く鋭い揺らぎ。 Lucはこの高音に関して「⻘、それはノイズだ」と打ち明けてくれた。
パリのアトリエ・ポスト・ビリッヒで制作。
リュック・フェラーリ作品の最新情報については こちらから ご覧ください(英仏語)。
以上、続報でした。
ブリュンヒルド・フェラーリ( BRUNHILD FERRARI )
ドイツ出身。リュック・フェラーリのパートナー、協働作業者であり、作曲家。
シェフェールらとGRMおよびGRIで働き、一時期は翻訳者としても活動。器楽曲を除くフェラーリ作品の多数に協働作業者、出演者として関わる。また、フェラーリが創設した「回路の詩神La muse en circuit」の共同設立者の一人である。
2005年のフェラーリ没後はその継承者として、すべてのフェラーリ作品の上演に関する支援、またアーカイブスの管理を行うプレスク・リヤン協会(Association Presque Rien)を2006年に創立。
さらに彼の膨大な録音アーカイブの一部を開放し、次世代の創造的芸術作品に発展させる非常にユニークなコンクール「Prix presque rien (プレスク・リヤン賞)」を10年に渡って主宰、出版するなど、多方面に彼の芸術的遺伝子を継承させるべく尽力してきた。
フェラーリとの協働作品はその一部が既にリリースされている他、縦横無尽に世界各国のアーティストと交流し、近年ではレコードやラジオ、また彼女を題材としたドキュメンタリーが制作されるなど、今なお活躍の場を広げている。