全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。
プレスク・リヤン協会の大切な仕事のひとつに「リュック・フェラーリに関する資料のアーカイブ化」があります。
テープやデジタル音源、映像はもちろんのこと、ポスターやフライヤー、チケットもとても大切な資料のひとつで、その時代の雰囲気をどこかに溶かし込んでいるこれらの資料から読み解けるものや触発してくれるものもたくさんあると思います。
今日はそんなプレスク・リヤン協会が保存している資料の中から数点ですが、ご紹介していきましょう。
まずはこちら。1989年のThéȃtre du Lierreでの「日記」の上演フライヤーです。
Archives from Association Presque Rien
赤の囲みが効いていますね。写真はLisette Malidor(リゼット・マリドール)さん。先日ドイツのテストクラングが発売したJournal Intimeにもまったく変わらない歌声で参加しています。
またエリーズ・カロンさんとドニ・シュイエさんは昨年のパリのコンサートで26年ぶりに「日記」を上演したことで覚えておられる方も多いでしょう。
続いてこれはパリの少し郊外、クリテイユにある”Maison des arts et de la culture de Créteil"での「Cahier du Soir」(夜の手帳)のコンサートのフライヤーです。
壮年期を過ぎつつあってもなおダンディなリュックさんの姿がかっこいい一枚。
ここには「砕氷船」のナレーションでおなじみのアンヌ・セーさんの名前がみえます。
(ちょっぴりトリヴィアですが、アンヌ・セーさんのお父さんはフランスでムーミンを翻訳・紹介した方として知られています)
Archives from Association Presque Rien
残念なことにここには「12月12日」という表記はあるのですが、年が入っていません(おそらく1992年のようです)。
このように年号が入っていないフライヤーは研究者泣かせで、なぜなら例えばその会場がなくなってしまったり、資料を整理していない場合には関係者の記憶や記録をたどっていかなくてはならないからです。
Web上での検索が容易になってくる直前の端境期には、このような紙媒体での情報漏れは上記のようなことを引き起こしやすいそうなので、特に整理されているデータベースを触る際の資料の扱いにはより慎重にならないといけないそうです。
Archives from Association Presque Rien
”Maison des arts et de la culture de Créteil"つながりでもう一枚出してみました。
これは前にも掲載しましたが、「思い出の循環」の招待状。赤字のどっしりしたフォントがインスタレーションときれいに調和していますね。
この時期に入ると、webにまだインフォメーションが残っています
20年前のフライヤーにはおそらくURLも検索窓もなかったでしょうし、コンサートのチケットレス化は今後ますます加速していくことになるのでしょう。
皆さんが映画館やコンサートでよくもらうフライヤーやチケット、パンフレットにはそれを作ったデザイナーの思いや計算、アイデアがいっぱい詰まっていますし、また彼らの時代の空気が入っています。
お手元にあるちょっと古いフライヤーを眺めることで、複雑に入り組んだ現代社会の感じ方がちょっと変わってくるかもしれませんね。
来月発売!
association-presquerien.hatenablog.com
【関連過去記事】
2015年6月のリュック・フェラーリ関連イベント(欧州) - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)
名古屋のコンサートのお知らせと、Collège des Bernaridinでのコンサートレポートです! - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)
2014年3月のリュック・フェラーリ関連イベント(欧州&日本) - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)