リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

フランス現代音楽における重要な作曲家の一人である、リュック・フェラーリ(Luc Ferrari:1929~2005)に関する情報を主に日本語でお伝えします。プレスク・リヤン協会(Association Presque Rien)は彼の友人達によってパリで設立されました。現在もその精力的な活動の下で続々と彼の新しい作品や楽曲、映画、インスタレーションなどが上演されています。 なお、より詳しい情報は、associationpresquerien@gmail.comまでお問い合わせください

2022年10月のリュック・フェラーリ関連イベント(欧州)

全国2万5千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。

 

いよいよ本格的な秋、というより冬の始まりを感じる季節になりました。

ヨーロッパでも芸術の秋の色はますます濃く、深まりを強めているようです。

 

さて、当プレスク・リヤン協会日本支局公式ブログでは毎月冒頭、その月開催されるリュック・フェラーリ最新情報を、フランスのAssociation Presque Rien(プレスク・リヤン協会)本部の公式ウェブサイト に掲載されている情報をもとに、日本語で紹介しています。

 



 

2022年10月5日現在、公式サイトでは10月分として、欧州で6件のイベントが予告されています。

 

 

まずひとつめは10月1日のアルフォールヴィル(Alfortville)で開催されたコンサート。

リュック・フェラーリがパリ郊外のヴァンヴで創設した“La Muse en Circuit”(「回路の詩神」協会)が設立40周年を迎えています。

9月から開催されている“La Muse en Circuit”(「回路の詩神」協会)設立40周年記念イベントは、10月1日にパリ市とこのアルフォールヴィル市を含む周縁都市圏で共同開催された音楽祭 <Paris Nuit Blanche >の一環となり、当日<DE JÉRÔME BOSCH À LUC FERRARI Carte blanche à La Muse en Circuit>という市民コンサートが開催されました。

 

また、この音楽祭のオープニングとしてアルフォールヴィルのLa Galerie Le 148で開催されていた設立40周年記念展示をアルフォールヴィル市の市長Luc Carvounasおよび関係者が訪問しました。当日は市長、副市長、また“La Muse en Circuit”(「回路の詩神」協会)ディレクターのWilfried Wendling、そしてBrunhild Ferrariによるスピーチが行われました。

 

 

この40周年記念イベントの一環として、引き続き10月28日には“La Muse en Circuit”(「回路の詩神」協会)でJérôme Florenville監督による40周年記念ドキュメンタリー ”: Une autre écoute est possible (Another listening is possible)”の上映が行われます。

 

一方、10月6日の19時からはブザンソン国際音楽祭でも知られるフランス東部ブザンソンのConservatory Grand Besançon – Cité des Artsで、Géraldine Kellerによるリュック・フェラーリ作品Monologos (1970) – duration indefinite

for solo voice and electroacoustic deviceが演奏されます。 

 

続いてドイツでは、10月11日と14日、ミュンヘンGärtnerplatztheaterで、 Ina Christel Johannessenによるバレエ作品Der Sturmが上演されます。この作品は2022年5月に上演された作品の再演となります。

 

10月27日にはベルリンで開催される<REFLUX FESTIVAL >で、Wolfgang Musilにより Ephémère 1 – “l’Ordinateur ça sert à quoi?” が演奏されます。

 

 

さて、Brunhild FerrariとChristoph Heemannによる最新作Stürmische Ruhe (Black Truffle)が発売されました。先日行われたパリ市内のレコードショップ<SOUFFLE CONTINU>でのStürmische Ruhe とLuc Ferrariの最新作 Solitude Transit のレコ発イベントも大好評だったとのことです。

 

そのブリュンヒルドフェラーリ、クリストフ・ヒーマン、そしてクリス・コールをゲストに迎える<GERAUSCH WELTEN FESTIVAL 2022 >が、10月16日の18時から独ミュンスターで開催されます。

 

 

2020年3月の新型コロナ(COVID-19)の流行が確認されて以降、月のイベントが5件を超えたのは今回が初めてとなります。多くの困難に直面しているといわれるヨーロッパですが、芸術イベント面で見る限り、その懐の深さに感慨を新たにせざるをえません。