全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。
INA - GRM (仏国立視聴覚研究所ー音楽研究グループ)とオーストリアのウィーンのレーベルEditions Megoの共同企画による< Recollection GRM > シリーズ。
タイトルからもわかるように、GRMによる稀少貴重な名盤音源を枚数限定でこつこつとヴァイナル・リイシュー(レコード化)していくシリーズです。
この度、シリーズ16作目として、リュック・フェラーリのHétérozygote (異型接合体: 1963–1964)が発売されることが発表されました。発売日は3月24日だそうです。
Hétérozygote / Petite symphonie... - Luc Ferrari - Recollection GRM
カップリングは<Petite symphonie intuitive pour un paysage de printemps >(春景色のための直感的小交響曲:1973–1974)です。
このジャケットはサイトでもまだ表部分しか発表されていませんが、これまでとはまたちょっと違うリュック・フェラーリの写真が使われているはずですので、ぜひお楽しみに!
この<Recollection GRM>シリーズからは既に< Presque Rien >(ほとんど何もない)のシリーズ4作品が入った2枚組が発売されていますが、残念ながら、この <Presque Rien> は発売元では既に売り切れてしまっているようです。
Recollection GRMシリーズのサイトを見ると、リュック・フェラーリ作品に限らず、ほぼ売り切れ必至の様子なので、迷う事なく即購入された方がよいかもしれません。
Hétérozygoteのレコードは1969年にフィリップスから、非常に印象的なジャケットの<Prospective 21e Siècle>の一枚として発売されましたが、当時の技術的問題により、A面に19分40秒しか収録することができず、B面に残りの7分4秒が収録されてリリースされています。(今のデジタル時代からは曲を分割収録するなんてことは想像できませんが、当時は珍しいことでもなかったようです)
さて、このB面の残った時間に収録する曲を何にするかを任せられたリュック・フェラーリは、この<異型接合体>の分割収録にひっかけたのでしょうか、カップリングに J'ai Été Coupé(私、切られました)を選びました。
(それでいえばHétérozygote (異型接合体)なんていうタイトルの曲がAB面に分割されて「合わせて一曲」なんてことになっていること自体とってもよく出来た ーそしてフェラーリファンにとってはとても納得のいくー 話ですが、「異型接合体」を選んだのはさすがにリュック・フェラーリではなかったそうです)
この話からはどんな時にもちょっとした「目配せ」を忘れない、リュック・フェラーリならではの良質なセンスを感じる気がしますし、実はいろいろな「遊び」がリュック・フェラーリ作品のあちこちに散りばめられていて、そういったちょっと隠された「ツボ」なところを探してみつけるのも、リュック・フェラーリ作品の聴き方や演奏の醍醐味のひとつであるといえるかもしれません。
今回のカップリングとなる、< 春景色のための直感的小交響曲> はリュック・フェラーリによるカップリングではもちろんありませんが、タイトルからはちょうど早春のリリース時期にあわせたような感もありますね。ジャケットはまさに「草もえる」という感じです(確かに「もえて」います)
「異型接合体」はリュック・フェラーリがドイツのヘールシュピールに見出される大きな転機ともなり、またその後のリュック・フェラーリの音楽方向性のひとつを拓いたともいえる重要な作品ですが、そのあたりの話などはまた今度。
Heterozygote/Petite Symphonie [12 inch Analog]
- アーティスト: Luc Ferrari
- 出版社/メーカー: Editions Mego
- 発売日: 2017/03/24
- メディア: LP Record
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【レコード情報】
Face 1
Hétérozygote (異型接合体: 1963–1964) 26'19
Face 2
<Petite symphonie intuitive pour un paysage de printemps >(春景色のための直感的小交響曲:1973–1974) 25'09
Cut by Rashad Becker at Dubplates & Mastering, Berlin, October 2016
Layout : Stephen O'Marley
Photos : Laszlo Ruszka (1963 -1980 ) © Ina
Translations: Valérie Vivancos
Coordination GRM : Daniel Teruggi & François Bonnet
Executive Production : Peter Rehberg
Remerciements : Brunhild Ferrari
℗ 1964, 1974 INA-GRM
© Recollection GRM 2016
Released in association with Editions Mego.
Courtesy of INA-GRM