全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。
今日は『プレスク・リヤン賞2015』の特集記事第二弾としまして、簡単なQ&Aなどをまとめてみることにしました。
応募に関する参考としてご一読ください。
Q1:「プレスク・リヤン賞」は電子音楽作曲家のための賞なのですか?
A いえ、それはまったく違います。「プレスク・リヤン賞」の選考作品についてそのような規定(電子音楽に限る等)が決められたことは一度もありません。
電子音楽の作曲作品の応募が多いことに関しては若い作曲家の人たちがリュック・フェラーリに注目し続けてくれていることがその理由のひとつにあると考えています。
ただ「応募作品」の条件については「プレスク・リヤン協会の本部サイトにあるリュック・フェラーリのサウンド・アーカイブにある音源を使うこと」だけが最低限の条件です。
確かに日本で昨年開催されたコンサートは「リュック・フェラーリと世界の電子音楽」として、電子音楽を中心にしてアクースモニウムを使用したコンサートが開催されましたが、それはプレスク・リヤン賞2013での選出作品、コンサートの形式を考慮してプログラムが組まれたという、構成上の問題です。
Q2:「プレスク・リヤン賞」を穫る作品に共通していることはありますか?
A ひとつだけはっきり言えることは「その年の応募作品の中から、審査員団が一番評価した作品が選ばれる」ということだけです。不作の年と豊作の年、またライバルの多寡にも左右されるでしょう。当然ながら審査員団の構成や思惑にも影響されるかもしれません。
しかし審査員団がぐうの音も出ないような面白い作品があれば、それが選ばれることに疑いはありません。また審査員団は作品についての議論をためらいません。
Q3:「プレスク・リヤン賞」の魅力というか、面白さはどこにあるのでしょうか?
A 何をもって「面白い」とするかは当然応募者の感性によるものが大きいでしょうが、まずおおっぴらにリュック・フェラーリの音源(サウンド・アーカイブ)の2次使用が認められているということ、そして国際コンクールであるにも関わらず応募に関して比較的制約も少なく、ともかく自由であるということでしょうか。
例えばこの映像で話されている内容を考えていただければ、この賞の魅力が多彩さにもあり、また決して一筋縄にはいかないことがわかっていただけるかもしれません。
プレスク・リヤン賞(prix Presque Rien)2013コンサート(武蔵野美術大学)鼎談 on Vimeo
プレスク・リヤン賞(prix Presque Rien)2013コンサート(同志社女子大学)鼎談 on Vimeo
逆にこの「自由」さを不自由に思う人もいるかもしれません。
プレスク・リヤン賞の質そのものも、応募作品によって鍛え上げられていくと考えています。
Q4:「プレスク・リヤン賞」にアマチュアは応募できるのでしょうか?
A 応募規定にあるように、応募者の経歴は考慮の範疇にはありません。プロかアマかが選考に影響することはありません。例えば「教員の作品は学生の作品より常に優れている」などということはありえるでしょうか?実力があるかないかは作品を出せばわかるのです。アマチュアはもちろん、プロのアーティストの作品が最終選考に残れるかどうかもわかりません。私たちは肩書きを審査しているのではなく、作品を審査するのですし、この賞は国際的な実力を試す場所です。
Q5:サウンド・アーカイブの解説をされる予定はありますか?
A 現在のところありません。それらの解説をすることが応募者の作品制作にとってプラスになることはないと考えています。言葉の問題やサウンドをどう使うかといった問題については応募者の「意識」が問われます。それは応募者の意識と彼の作品、そしてサウンド・アーカイブという3つの相の組み立ての話ではないでしょうか?
Q6:利便性をはかるために応募フォーマットのようなものを作成する予定はありますか?
A これもまたありません。おおまかな応募のフォーマットについてはこのブログのプレスク・リヤン賞のカテゴリを見ていただければわかると思います。おそらく外国語の問題をおっしゃっておられると思いますが、これがクリアできるかどうか、そういったコミュニケーションがとれるかどうかも実力のうちです。
語学に関しては現在、以前に比べるとさまざまな解決方法があるので、ご自身で解決することができるはずです。コミュニケーションに置いてはひとりよがりにならず「相手に伝える」という意識が必要なのは音楽に限らない基本的なことだと思います。
Q7:「プレスク・リヤン賞2013」と「プレスク・リヤン賞2015」が違う点は?
A 前回のプレスク・リヤン賞から既に2年たちました。本年2015年はリュック・フェラーリの没後10年にあたります。
10年前と現在、2年前と現在を比べてみてもテクノロジーや生活環境は激変の一途をたどっています。本部サイトのサウンド・アーカイブは今回ほぼ変わっていませんが、私たちの日常は日々変化しています。リュック・フェラーリがもし現在に生きていたら使えたであろう技術、捕まえたであろう音を皆さんはより簡便に使いこなし、彼の聴けなかった音を聴くことができる状況にいる訳です。
しかしながら芸術作品の制作にあたっては技術力があるだけではどうしようもありません。
プレスク・リヤン賞はアヴァンギャルドなコンクールでもあります。ゆえに2年前と同じ直線上で発想をする必要は必ずしもないのです。この賞の本質は、参加した応募者が一番とらえることができるのかもしれませんし、その位自分の作品に対する高い意識が求められると思います。
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