リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

フランス現代音楽における重要な作曲家の一人である、リュック・フェラーリ(Luc Ferrari:1929~2005)に関する情報を主に日本語でお伝えします。プレスク・リヤン協会(Association Presque Rien)は彼の友人達によってパリで設立されました。現在もその精力的な活動の下で続々と彼の新しい作品や楽曲、映画、インスタレーションなどが上演されています。 なお、より詳しい情報は、associationpresquerien@gmail.comまでお問い合わせください

2021年11月のリュック・フェラーリ関連イベント(欧州)

 

全国2万5千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。

 

プレスク・リヤン協会日本支局公式ブログでは毎月冒頭、その月に開催される予定のリュック・フェラーリ最新情報について、フランスのAssociation Presque Rien(プレスク・リヤン協会)本部の公式ウェブサイト に掲載されている情報をもとにお届けしています。

 

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フランスでは現在新型コロナウイルス感染者の減少に伴い、ワクチンパスポートの提示が必要ではあるものの、イベントに関しても制限が相当緩和された状態で、イベントなどもかなりの盛況とのことです。

 

2021年11月2日現在、公式ウェブサイト上での11月のリュック・フェラーリ関連イベントは報告されていません。

ただいくつかの企画はコロナ禍を乗り越えて動きが見えているとのことで、今後の展開がとても気になるところです。

 

 

そこで今月は【先月の取りこぼし】拡大版として、10月に企画・開催されたものの公式サイトには紹介されていなかった、フランスでのリュック・フェラーリ周縁の情報をいくつかピックアップしてご紹介していきます。

 

<差し込み>

フランス、クレルモン=フェランで開催されている第23回< Festival Musiques Démesurées>でのプログラム« Musiques d’avenir aux sons passés »において、Brunhild MEYER-FERRARI  <Le piano englouti>が演奏されます。

演奏はPrix Presque Rien (プレスク・リヤン賞) 2017 で<No More Noise>が次席に入賞したYoann Sansonです。

 

またこのコンサートでは同時に日本でのリュック・フェラーリの電子音響作品のアクースモニウム演奏など、多くを手がけてきたTomonari HIGAKI (檜垣智成)の<Soniferous Garden>も演奏される予定です。

 

musiquesdemesurees.net

<差し込み終わり>

 

CD作品 Chansons Pour Le Corps や舞台劇のJournal Intime、また映像インスタレーション Cycle des Souvenirs (思い出の循環)などなど、多くのリュック・フェラーリ作品に深く関わってきた歌手エリーズ・カロンÉlise Caron)の特集番組が10月4日から5回に分けてFrance MusiqueのLes grand entretienで放送されました。

こちらの番組はポッドキャストで現在配信中です。

 

www.francemusique.fr

 

10月16日と19日にはフランス国立図書館  BnF)において、2017年に物故した、現代フランス音楽を代表する作曲家の一人であるピエール・アンリに関するイベントが開催されました。

 

 

www.bnf.fr

 

このイベントはこの度、ピエール・アンリアーカイブBnFに収蔵されたことを記念して開催されたもので、シンポジウムやコンサート、また映画上映など貴重かつ多彩なプログラムが組まれたということです。

 

 

ピエール・アンリ追悼 : 椎名亮輔 Pierre Henry(9, DEC, 1927 ー 5, Jul, 2017)by Ryosuke Shiina - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

 

ピエール・アンリ追悼 Pierre Henry(9, DEC, 1927 ー 5, Jul, 2017)渡辺 愛 By Ai Watanabe - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

 

 

 

最後にフランスの音楽誌<Revue & Corrigée n° 129>でJean-Kristoff CampsによるPERSPECTIVES評が2ページにわたって掲載されました。

 

www.lespressesdureel.com

ブリュンヒルドフェラーリの父であるヴォルフガング・マイヤー=トルミンの作曲作品と水彩画、そしてリュック・フェラーリ作品とコラージュがまとめられた本<PERSPECTIVES>はブリュンヒルドフェラーリ自身が長年丁寧にアイデアをあたためていたものが結実した私家版の作品です。

 

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<Revue & Corrigée n° 129>号は他にも< Luc Ferrari Complete Works > を自身のレーベルから発売したサーストン・ムーアのインタビューなど、豪華な内容となっているとのことです。

 

 

 

Revue & Corrigée #129 - Les presses du réel (book)

 

 

 

 

繰り返しになりますが、現時点でのリュック・フェラーリ最新発売作品は< Atelier De Libération De La Musique>, や、Brunhild Ferrariの <Tranquilles Impatiences >などでおなじみ、イタリアのレーベル Alga Marghenから発売の Luc Ferrari – Labyrinthe de Violence (初版500部限定 LP)です。

 

(文中敬称略)

 

 

 

【関連過去記事】

 

2021年10月のリュック・フェラーリ関連イベント(欧州・日本) - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

 

 

2021年9月のリュック・フェラーリ関連イベント(新作リリース) - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

 

 

2021年8月のリュック・フェラーリ関連情報 - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

 

 

2021年7月のリュック・フェラーリ関連イベント(欧州)(7月20日追記) - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

 

 

2021年6月のリュック・フェラーリ関連イベント(欧州)(6月12日イベント等追記あり) - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

 

 

2021年5月のリュック・フェラーリ関連イベント(欧州&動画) - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

 

2021年4月のリュック・フェラーリ関連イベント(欧州) - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

 

2021年3月のリュック・フェラーリ関連イベント - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

 

2021年2月のリュック・フェラーリ関連イベント(日本) - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

 

2021年1月のリュック・フェラーリ関連イベント(日本)(1/25追記:大阪でのコンサートの延期について) - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)