全国2万5千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。
プレスク・リヤン協会日本支局公式ブログでは毎月冒頭、その月開催されるリュック・フェラーリ最新情報について、フランスのAssociation Presque Rien(プレスク・リヤン協会)本部の公式ウェブサイト に掲載されている情報をもとにお届けしています。
去る8月22日は16回目となるリュック・フェラーリ忌。2005年のフェラーリの逝去後もブリュンヒルド・フェラーリ夫人とプレスク・リヤン協会による厳密なアーカイブ検証とその作業によって発掘されたり、また新たに演奏・録音されたリュック・フェラーリ作品が続々と出版されています。
2021年9月5日時点の公式ウェブサイトでの情報では、9月のリュック・フェラーリ関連イベントはありません。
が……
というわけで、先月のブログ月報にこそ間に合いませんでしたが、リュック・フェラーリの2枚組LPが先日リリースされました!
ジャケット4面にはリュック・フェラーリ自身によるコラージュ作品がプリントされています。
< Atelier De Libération De La Musique>, や、Brunhild Ferrariの <Tranquilles Impatiences >などでおなじみの、イタリアのレーベル Alga Marghen。そのアルガ・マルゲンからリリースされた最新作が
Luc Ferrari – Labyrinthe de Violence (初版500部限定)<暴力の迷宮>です。
本部サイトで検索してみると 、1975年のこの作品の解説が見つかります。
<この年の政治的状況に非常に関連したマルチメディア作品である>という記述がありますが、この<政治的状況>というのは殊フランスにおけるこの年の具体的な政治的事象(例えばランブイエ・サミットなど)を指したものではなく、1968年の熱狂の後、ほころびがますます顕在化し始めた、現代社会の出口の見えない暴力的な状況に強く関連した作品であるということのようです。この作品が初演された時はマルチメディアとして、いくつものスライド映像が投写されたので、そういった点でよりこの作品の印象は強烈なものであったろうと推察されます。
Labyrinthe De Violence は2009年にAlga Marghenから12インチ版としてリリースされていましたが、今回の内容はそれとは全く違うもので、<Pollution><Violence><Pouvoir Profit><Mécanique Paysage Danse>の4部屋(面)での構成となっています。
この作品の初演は1975年6月にモードと服飾史の美術館として知られる、パリ市立ガリエラ美術館(Palais Galliera | Musée de la mode de la Ville de Paris)でスライド映像付きの作品として上演されました。日本でも各レコード店で予約が始まっているようです。
また、9月には昨年7月に急逝したDavid Jisse ( Président de l'Association PRESQUE RIEN ) ダヴィッド・ジス氏(プレスク・リヤン協会会長)の2枚組CD作品<Assis sur ma valise>が発売される予定ということです。
【関連過去記事】
2021年8月のリュック・フェラーリ関連情報 - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)
2021年7月のリュック・フェラーリ関連イベント(欧州)(7月20日追記) - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)
2021年6月のリュック・フェラーリ関連イベント(欧州)(6月12日イベント等追記あり) - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)
2021年5月のリュック・フェラーリ関連イベント(欧州&動画) - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)
2021年4月のリュック・フェラーリ関連イベント(欧州) - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)
2021年3月のリュック・フェラーリ関連イベント - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)
2021年2月のリュック・フェラーリ関連イベント(日本) - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)
2021年1月のリュック・フェラーリ関連イベント(日本)(1/25追記:大阪でのコンサートの延期について) - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)