全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。
ここ最近、ますますポッドキャストやラジオを聴く機会が増えているのに気づきました。ちょっと目の前のことがらから離れて時間を過ごすのもかえって健康にはいいかもしれませんね。春はすぐ近くまで来ています。今年は静かなお花見ができるかもしれないと、ちょっと期待したりして。
すでに支局ツイッターではお伝えしていますが、生涯にわたってのリュック・フェラーリの盟友であり、読者のみなさまにも馴染みが深い、画家・映画監督のジャック・ブリソ(Jacques Brissot)さんが2月19日早暁に逝去されました。
Association Presque Rien(プレスク・リヤン協会)本部(パリ)の公式ウェブサイトのトップページ にもジャック・ブリソのホームページとともにお悔やみが掲示されました。
フェラーリとジャック・ブリソのつながり、またブリソの仕事について、ぜひ椎名亮輔さんによる追悼記事をご覧ください。
association-presquerien.hatenablog.com
プレスク・リヤン協会日本支局公式ブログでは、毎月冒頭にAssociation Presque Rien(プレスク・リヤン協会)本部(パリ)の公式ウェブサイト に掲載されている情報をもとに、その月、世界中で開催されているリュック・フェラーリに関連するイベントについてお届けしています
2020年3月2日現在、公式ウェブサイト では3月のリュック・フェラーリ関連イベントはまだ紹介されていませんが、コロナウイルスの世界的流行にともなって、日本だけではなく、世界各地での今後のイベントのスケジュール予定に影響が出てくる可能性もあるようです。
2月29日に、パリ11区のレコード店SOUFFLE CONTINU で開催された< Perspectives > 出版記念発売サイン会&ミニコンサートですが、ピアニストのミシェル・モレル(Michel Maurer)が急病のため、予定されていた「失われたリズムを求めて」の演奏こそ中止になったものの、イベントは盛況で、また昨年サーストン・ムーアのEcstatic Peace Libraryより出版された<Luc Ferrari COMPLETE WORKS>の翻訳者であり、20世紀イギリスの重要なアーティストであるAdrian Henri のパートナー、キャスリーン・マルカンジェリ(Catherine Marcangeli)とブリュンヒルド・フェラーリ(Brunhild Ferrari)の対談は素晴らしいものだったとのこと。
昨年ロンドンのカフェ・オトでのリュック・フェラーリ生誕90周年フェスティバルに合わせてイギリスの音楽雑誌The Wireでも取り上げられたこの二人の対談が、今回ブリュンヒルド・フェラーリの実父である、作曲家、音楽家のWolfgang Meyer-Tormin(ヴォルフガング・マイヤー=トルミン )を取り上げて対談しました。限定200冊の私家版。今ならまだSouffle Continueで購入できるそうです。
The Wire Issue 420 - February 2019
Shelter Press publish first volume of Spectres - The Wire
Cafe Oto to host eight day Luc Ferrari celebration - The Wire
ちなみにThe Wire の最新号433号では、Oren Ambarchi(オーレン・アンバーチ)主宰のBlack Truffレーベルの紹介に関連して、先日発売されたばかりのブリュンヒルド・フェラーリ&ジム・オルークによるLP< Le Piano Englouti>が取り上げられているとのことです。
The Wire Issue 433 - March 2020
4 recent Black Truffle releases are reviewed in the new issue of @thewiremagazine by @drlouisegray Francis Plagne, Brunhild Ferrari & Jim O’Rourke, Manuel Pessoa de Lima and Will Guthrie + a nice feature on Will G = yowza yowza yowza! pic.twitter.com/5XDN2R7rQ9
— Oren Ambarchi (@orenambarchi) 2020年2月12日
【先月の取りこぼし&ミニ情報まとめ】
続いて先月の月報に掲載されていなかった情報や追加のおさらい、とれたての最新情報など、リュック・フェラーリ周縁の動きをまとめてご紹介していく「先月の取りこぼし」のコーナです。
先月の取りこぼしは一件。
2019年、最も精力的にフェラーリ作品の演奏をこなしたピアニストの一人 Xenia Pestova Bennett(クセニア・ペストヴァ・ベネット)。2019年2月のカフェ・オトでの演奏以降、彼女のフェラーリ演奏のニュースを目にする機会が増えてきました。
フェラーリの誕生日の翌日2月6日にもアイルランドのベルファストで” Collection de petites pièces ou 36 Enfilades pour piano et magnétophone”を演奏しました。
1月17日にIna-GRM主催によりパリの104(CENTQUATRE)スタジオで行われたEt tournent les sons dans la garrigue(そして音はガリーグを巡る)とデヴィッド・グラブス(David Grubbs)へのインタビューの模様がIna GRMのYoutubeチャンネルで公開されました。清冽な緊張と緩和が織りなす響きは時として聴く人を小さなつむじ風にしてどこかへ連れ去って行くような錯覚さえおぼえさせます。
LUC FERRARI_Et tournent les sons dans la garrigue_Concert au CENTQUATRE_17 janvier 2020
また、再々お伝えしている当ブログ読者にもおなじみの映画監督Jacqueline Caux(ジャクリーヌ・コー)による最新作<Bad Girls des Musiques Arabes - du VIIIè siècle jusqu'à nos jours >、クラウドファンディングでの資金調達は3月3日現在、残り12日にして目標額の15000ユーロの38%を集めています。なかなかスリリングな状況です。
ジャクリーヌ・コーとこの映画「Bad Girs」について、作曲家の渡辺愛さんに詳しくご寄稿いただいています。
association-presquerien.hatenablog.com
(文中一部敬称略)
2020年2月のリュック・フェラーリ関連イベント(欧州・日本) - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)
2020年1月のリュック・フェラーリ関連イベント(欧州) - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)