全国2万5千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。
本の紹介が続いてしまいますが、今日はINAによる”Portraits Polychromes”の第一弾として出版されている本、”Luc Ferrari”の紹介です。
ところで「フランスの音楽のことをちょっと見てたら”INA”とか、”GRM”って名前が結構出てくるけれど、いったいそれって何のことなの?」という方のためにちょっとウィキペディアのリンクを貼っておきますね。
INAとはフランス国立視聴覚研究所のことで、GRMというのはその中にあるフランス音楽研究グループの名称です。それを読もうとされる方はできたらラジオ・フランスのこともついでに読んで下さいね。
「ラジオ」と聞くと私たちはすぐに「テレビ」との対比だけで考えてしまいがちですが、フランスではラジオ・フランスの組織の中にINAやGRMが含まれています。
ヘールシュピール(ラジオ・アート)を考える際に、テレビとの対比としてのラジオではなく、アートを構成するものとしてラジオを意識していただくと、ちょっと日本ではその意味がとりにくいヘールシュピールのこともちょっとすっきりしてくるかも知れませんね。
GRMの設立と運営におけるリュック・フェラーリの果たした役割などについては、また機会があれば紹介したいと思っています。
この本”Luc Ferrari”は2001年に出版されました。裏表紙はこんな感じです。
全123ページの中身は13章立てになっていて、作品の解題や評論などの他に、詳細な作品目録がついています。
写真も数ページにわたって添付されていて、中には1997年のコンサートの様子や、1965年の「大いなるリハーサル」撮影時の写真があったり
また、ブリュンヒルド夫人によるフォトコラージュも入っています。
このフォトコラージュは世界各国の二人の友人達を組み合わせたもので、日本からも数人の方が入っていらっしゃいます。
またとってもよく見るこの写真
この写真についても出典が明らかになっています。
Luc Ferrari | INA - GRMのリンクを参照していただくと解るのですが、この”Portraits Polychromes”はシリーズ化されており、リュック・フェラーリ以降も続々と出版されているようです。最新刊はEliane Radigue氏です。
•Luc Ferrari, 2001
•Jean-Claude Risset, 2001
•Gilles Racot, 2002
•Bernard Parmegiani, 2002
•Ivo Malec, 2003
•François Bayle, 2003
•John Chowning, 2004
• Michel Chion, 2005
•Jacques Lejeune, 2006
•Francis Dhomont, 2006
•Max Mathews, 2007
•Pierre Schaeffer, 2008
•Denis Smalley, 2010
•Eliane Radigue, 2013
この本”Luc Ferrari”に関しては現在残念なことに売り切れてしまい、廃盤状態のようですが、復活して、今度はぜひ日本語訳で出版して欲しいものですね。
(なおこの本を日本語訳で読みたい!という方は、ぜひとも下の”はてなブックマーク”やFacebook、ツイッター、google+、またはコメント欄などを使ってお声をいただけるとありがたいです。ぜひどうかよろしくお願いいたします)
【関連過去記事】
限定本 ”sonopsys” の紹介です - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)
本「リュック・フェラーリとほとんど何もない」英語版発売のお知らせ - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)
Association presque rien (Link) - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)