全国2万5千人超のリュック・フェラーリ・ファンのみなさま、こんにちは。
本日は今月末に英語版「リュック・フェラーリとほとんど何もない」が発売されますことをうけまして、現在出版されている3カ国版を紹介していきます。
まずは今月末に発売される英訳版から。
Amazon.co.jp: Almost Nothing With Luc Ferrari: Jacqueline Caux, Luc Ferrari: 洋書(1月31日発売予定、現在予約受付中)
ハードカバー、164ページ。
この本の内容を非常に簡単に紹介しますと、皆様すでにご存知のように、リュック・フェラーリの長年の友人であるジャクリーヌ・コー女史(フランスの著名な音楽学者で作曲家でもあったダニエル・コー夫人)によるリュック・フェラーリのインタビュー集ですが、内容はもちろん単なるインタビューにとどまらず、リュック・フェラーリの広範囲にわたる仕事をおおまかに分類し整理しながら、彼の人間的魅力やそれぞれの作品の成立した背景、またG.R.M設立の裏話などもうかがうことができる良書です。
また、この本の特筆すべき点は巻末につけられた索引の充実ぶりで、彼の年表ももちろんですが、その作品目録を見れば彼の仕事がいかに多岐に渡っていたかということを知ることができます。
英語版、まだ出てなかったのか?との声もありそうなくらいですけど(日本だけではなく、仏語圏の人でさえそのように言いますね)その通り、まだ出ていなかったんです。
英語版はJérôme Hansenの翻訳により、Errant Bodies社から出版されるとのことですが、もちろんこの本は皆様すでにご存知の通り椎名亮輔氏の訳で現代思潮新社よりいち早い邦訳が出ております。現代思潮新社さん、素晴らしい慧眼です。
リュック・フェラーリと ほとんど何もない - 株式会社現代思潮新社
今回は本家のフランス版原書(Main d'Œuvre版)の方も掲載しておきます。どれもカバーがそれぞれに個性的ですね。
Presque rien avec Luc Ferrari entretiens textes et autobiographies imaginaires: Amazon.fr: Jacqueline CAUX: Livres(Amazon.Fr)
著者のジャクリーヌ・コー(Jacqueline Caux)女史は同名の映画『リュック・フェラーリとほとんどなにもない』の監督(オリヴィエ・パスカル(Olivier pascal)氏と共同)もつとめました。
この映画の字幕付き版DVD(Elica,Italy)は残念ながらまだ日本では出版されていませんが(輸入版のみが販売されています)、この作品に限らず、彼女の映画は資料的価値や独自の発見を伴った興味深いものがあり、日本での発売が強く待たれます(日本語版発売に興味のある方がおられましたら、ぜひ上記準備室アドレスまでご連絡ください)
なお余談ですが、彼女は現在も精力的に新作を準備中とのことですから、近いうちに発表されると思います。
『Presque rien avec luc ferrari』(DVD)参考のジャケットはこちらです。