11月13日火曜日、東京芸術大学千住キャンパスでブリュンヒルド・フェラーリ氏による特別講義が行われました。学内授業の一環であったため残念ながらこちらのブログではご案内できませんでしたが、多くの学生が関心をもって受講しました。
講義内容はヘールシュピール(ラジオドラマ)について。音源試聴もふんだんに取り込んでいただきました。
リュック・フェラーリは様々なメディア、様々なアプローチで創作活動をしてきましたが、なかでもヘールシュピールというアプローチは、日々の様相を外側から切り込んで緩やかな物語に編んでいくという彼の興味とぴったり合った方法であったことがわかりました。
「ヘールシュピールという方法を知ったのはリュックが『異型接合体』を作った後だったが、もしその前にヘールシュピールを知っていたら、『異型接合体』もまた違ったものになっていただろう」という言葉が印象的でした。
ヘールシュピール作品の中には、インタビューとか自然な会話とか、いかにも録りっぱなしの話し声が多く出てきますが、その実、素材はやはり入念に「コンポジション」されていて、「戯れ」というにはあまりに創意工夫に満ちた音響的な施しがあることが、作品を聴いていてよく理解できました。