全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。
作曲家の渡辺愛です。
疫病の流行で世界は不安と混乱の渦に飲み込まれています。
みなさまの生活にもダイレクトに影響していることと思います。
私もかれこれ1ヶ月以上引きこもりの日々ですが、子供も家にいるため何一つ進まず、職場は職場で大混乱で先行き不透明といったカオス。
みんな、大変。
そんな「大変」のなかでも、文化施設の受けた打撃は少なくありません。
リュック・フェラーリ生誕90周年記念企画として昨年フェスティバル「Stereo Spasms」を堂々8日間敢行した、ファンにはお馴染みのロンドンのライブスペース「Cafe OTO」もそのひとつ。コロナウイルスの影響で存続の危機に晒されています。
2019年2月12日のCafe OTO "Stereo Spasms Festival -Celebrates the 90th Birthday of Luc Ferrari (7th-14th February 2019)"より
ご想像の通り、現在、私たちは大きなプレッシャーにさらされており、Cafe OTOがこの状況を乗り切るために全力で取り組んでいます。 この状況の影響は、私たちのような小さな会場にとって非常に深刻であり、私たちが乗り切るために得られるすべての支援を必要としています。(Cafe OTO ウェブサイトより)
「コロナウイルス募金オークション」の専用ページも開設されています。現在はオンラインオークションの入札は終了しておりますが、Paypalを使ったCafe OTO自体へのドネーションは継続して歓迎しているようです↓↓。
We need your help - please DONATE
ロンドン・カルチャーのみならず、日本を含む世界中の多様なアーティストを紹介、発信してきた音楽文化の重要な発信拠点を救うため、ぜひ寄付にご協力ください。
* * *
ところでこのオークションページ、見ているだけでもちょっと楽しいです。Cafe OTOゆかりのミュージシャンがこぞって私蔵の品を並べるさまはさながら蚤の市か骨董市か…まるでアーティストの部屋の中を覗いているよう。
「Stereo Spasms」出演者でもあるデヴィッド・トゥープさんが自身のレーベルから出したLPや…。
Bill Cliffordが80年代に描いた、フェラーリ・ファンには馴染みの深いジャズ・レジェンド、セシル・テイラー像。
我らがブリュンヒルド・フェラーリも二品出品しています。「回路の詩神」ステッカーと「プレスク・リヤン賞」のポスター群。
鈴木昭男、石橋英子、坂田明、カール・ストーンなど日本在住のミュージシャンからの出品も多々。私の注目はこちら。Suzueri & Fiona LeeによるFtarri5周年記念盤(Ftarriは昨年12月に行われたSTEREO SPASMS東京企画の会場でもありました)や、Miki Yui, Chiharu MK, コンピ「A deep Mysterious Tone'」など、日本の注目女性アーティストが多く詰め合わされたLOTです。
そして、下世話な私はやっぱり高値のついた品が気になるわけで…
STEREO SPASMS首謀者の一人サーストン・ムーアのギター用ペダル、最高額約24万5千円。
ジム・オルークの未発表曲シングル・エディション(なんとご自身によるハンドメイドだそうです...他では絶対買えないとの煽り文が...ヤバイ)、最高額約29万6千円。
「Under The Skin」オケ原譜、最高額約16万8千円。
New Orderの「shellshock」アートワークフォト、最高額約13万4千円。
というわけで、お籠りのおともにぜひCafe OTOのページ、眺めてみてくださいませ。
* * *
最後に日本のお話も少し。
「水から救われたアーカイブ」でフェラーリとコラボした音楽家の大友良英さんが、こんなツイートをしています。
無観客配信をした場合営業したとみなすという都の方針に断固断固断固反対します!どれだけの思いでライブハウスが営業を止めているのか、それは自らの収入を絶って感染拡大を止める捨て身の行為であること、そして無観客配信では収益にはほぼならないことを都は理解すべきです! https://t.co/ovJTfpEah0
— 大友良英 otomo yoshihide (@otomojamjam) April 18, 2020
また、都がこの方針を認めてしまえば、お店は配信すらしなくなってしまう。そこまでして都は音楽やライブハウスの息の止めたいのか。止めねばならないのは音楽ではなく感染なはずだ。もう一度なんのための営業自粛かを、都には丁寧に考えてほいしい。 https://t.co/SR2jtFfwgu
— 大友良英 otomo yoshihide (@otomojamjam) April 18, 2020
東京都は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、都の休業要請に応じて、施設の使用停止を停止した事業者に協力金を支給すると発表しましたが、所謂「無観客配信」は休業とはみなされず、協力金の対象外とする可能性がある、というもの。
「クラブやライブハウスが苦肉の策として行い、しかもほとんど利益にはならない無観客配信を営業とみなして支援を断ち切るのはおかしくないですか?」と声をあげています。
感染拡大防止のために歯をくいしばっているライブハウスやミュージシャンに、補償が行き渡りますように。
署名活動のリンクも貼っておきます↓。
無観客配信にて感染拡大防止に協力しているライブハウス・クラブ・劇場など文化施設が東京都の協力金の対象外になる可能性があります。飲食店の時短営業と同様に適用を。要項の発表は4/22。都の動きが国や地方自治体の模範になるように全国から署名のご協力をお願い致します。https://t.co/bWDlsUtsJi
— SaveOurSpace (@Save_Our_Space_) April 19, 2020
それではみなさま、しばらく自粛が続きますが、どうぞ健康第一で安全にお過ごしくださいますよう、お祈りしています。
追記:上記、動きがあったようです↓。声が届いてよかった!
4/20 18:00現在、協力金のサイトを見たところ、更新されてました。条件付きではありますが、無観客の配信は可能とのことです。改善された!https://t.co/wTRFVHEMMv
— 細馬宏通/かえるさん (@kaerusan) April 20, 2020