リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

フランス現代音楽における重要な作曲家の一人である、リュック・フェラーリ(Luc Ferrari:1929~2005)に関する情報を主に日本語でお伝えします。プレスク・リヤン協会(Association Presque Rien)は彼の友人達によってパリで設立されました。現在もその精力的な活動の下で続々と彼の新しい作品や楽曲、映画、インスタレーションなどが上演されています。 なお、より詳しい情報は、associationpresquerien@gmail.comまでお問い合わせください

ヨーロッパの魅力満載!ブリュッセルのKRAAK FESTIVAL 2017!

 

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。

 

今日はベルギーで3月2日から5日まで開催された音楽イベント <KRAAK FESTIVAL 2017>をブリュンヒルドフェラーリ(Brunhild Ferrari)さんの演奏の模様を交えてご紹介します!

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KRAAK(クラック)という名前は古いレコードを廻した時の擬音(日本では「パチパチ」「カリカリ」でしょうか)から来ているそうで、ベルギーで色々な音楽企画を運営しており、2004年からは毎年KRAAK FESTIVALを開催しています。

KRAAKの機関誌「THE AVANT GUARDIAN」

 

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kraak←メインはこちらから

 

今年会場となったのはブリュッセル中心街にある Beursschouwburg。

大ホールとなるGouden Zaalと、小ホールとなるcafeは階段でつながれ、その間にインスタレーションが組み込まれていました。

 

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3日間に渡るイベントプログラムは多彩なことで世界中に知られるベルギービールを思わせるように、それぞれがとても個性的かつ特徴的。そんな「なんでもあり感」がたまらない中にも豊穣さを感じさせるセレクションは、EU本部があるだけではなく、英仏独蘭と国境を接しており、言語並列表記、多文化共生を地でいくヨーロッパの中心地ベルギーならではのものといえるかもしれません。飛行機と鉄道と車を使えば、半日あればほぼどこへでも移動可能な欧州内。ヨーロッパの各地から熱心な観衆もいらしていたそうです。

 

土曜の会場には物販コーナーも設置されて大盛況。

 

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(画像は処理しています)

 

 

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sub rosaのブースではもちろん「共同プログラム」も販売。

 

 

そしてkraakのブースでは特別に刷り上がったばかりのprix presque rien(プレスク・リヤン賞)の3枚組CDが超限定で販売されたそうです。

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併設のバーカウンターで販売されているのはもちろんベルギービールがメイン!美味しそう!!

 

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毎年ゲストは世界中から招かれており、本年のゲストの中には元GRMのBeatriz Ferreyra(ベアトリス・フェレイラ) さんも招かれていましたが先ほども書いたようにジャンルなど関係無い、アバンギャルドかつバランスのよいプログラム。

3日間、どの回もほぼ満員の大盛況。入れ替わり立ち替わり、またすべての回をご覧になった熱心なクラックファンもいたそうです。

 

 

 

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会場周辺は深夜までお客さんでいっぱい

 

幅の広いゲストラインナップはこちらからご確認ください。

 

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3日間のタイムテーブル、大トリにブリュンヒルドさんの名前が!

 

 

 

会場でも配布された「THE AVANT GUARDIAN」KRAAKフェスティバル2017特集号にはブリュンヒルドフェラーリさんのインタビュー記事も掲載されています。

筆者は3日目に演奏もしたAmeel Brecht(アメル・ブレヒト)さん。

 

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ホールのディスプレイにもプログラムが

 

 

さて、日曜の最終日、大トリの中の大トリとなったのはもちろんBrunhild Ferrari(ブリュンヒルドフェラーリ)さんです。

2008年のkraak(K-RAA-K)3 FESTIVALにもLuc Ferrari (リュック・フェラーリ)の名前が見えますが、今回はBrunhild FerrariさんとTranquilles Impatiencesが大フューチャーされました。

 

 

ゆったり進行の中、定刻より1時間程度遅れた会場は満員。

演奏は”Stürmische Ruhe”から始まりました。この作品は先年来日を果たせなかったクリストフ・ヒーマン(Christoph Heemann)との共同作品。

そして" Tranquilles Impatiences "。

リュック・フェラーリ没後、彼女が独自に作曲したこの作品をレコードで出版したのはイタリアのAlga Marghenレーベルでした。

撮影が無理なくらい、可能な限り照明が落とされた会場は静寂に包まれ、観衆はドローン感に酔いしれました。

 

 

そして演奏が終わった後、ブリュンヒルドさんとKRAAKへの拍手喝采が長く長く続いていたそうです。

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Kraakは本年25組ものアーティストを招聘し、そしてそれぞれの方にも細やかな気配りがあったそうで、そういうところも大変好評な質の高いコンサートだったということです。

 

 

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