リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

フランス現代音楽における重要な作曲家の一人である、リュック・フェラーリ(Luc Ferrari:1929~2005)に関する情報を主に日本語でお伝えします。プレスク・リヤン協会(Association Presque Rien)は彼の友人達によってパリで設立されました。現在もその精力的な活動の下で続々と彼の新しい作品や楽曲、映画、インスタレーションなどが上演されています。 なお、より詳しい情報は、associationpresquerien@gmail.comまでお問い合わせください

ジャクリーヌ・コー監督の作品紹介とパリ、アリアンス劇場でのイベント

 

全国二万五千人のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。

今日はリュック・フェラーリ作品には直接関係はありませんが、当プレスク・リヤン協会本部でも役員を務めておられ、先日来日もされたジャクリーヌ・コー(Jacqueline Caux)監督のトピックをお伝えします。

 

先日日本で開催された最新作”Man From Tomorrow”のワールドプレミアはコー監督とジェフ・ミルズの来日もあり、追加上映まで全席完売という大成功を収めましたが、その後、ジャクリーヌ・コー監督の作品はどのようなものがあるのか?という問い合わせを戴きました。

 

もちろんジャクリーヌ・コー監督の作品といえば、ご存知”Presque Rien avec Luc Ferrariをおすすめする訳ですが、日頃当ブログをご愛読いただいている読者の方々は既にこの作品はご存知のことと思います。

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Amazon.co.jp: リュック・フェラーリとほとんど何もない―インタヴュー&リュック・フェラーリのテクストと想像上の自伝: ジャクリーヌ コー, Jacqueline Caux, 椎名 亮輔: 本

 

そこで、今日は簡単にジャクリーヌ・コー監督のこれまでの作品をまとめ、また、先日パリで開催されたドキュメンタリー映画”"Hadda Ouakki - Chant d'une Rebelle"のプレミア上映の様子もお伝えしたいと思います。

 

ジャクリーヌ・コー監督の作品目録は、彼女のホームページから確認することができます。

現在彼女のホームページのトップ(言語選択場面)ではフェラーリeRikMが共演している映像が流れています。

Jacqueline Caux

 

お時間のない方のために、ここで彼女のフィルモグラフィをまとめておきましょう。

La Monte Young et Marian Zazeela - 52’ (2001) 

Presque Rien avec Luc Ferrari 「リュック・フェラーリとほとんど何もない」 - 50’ (2003) 

Anna Halprin - Out Of Boundaries - 53’ (2004)

Anna Halprin - Who Says I Have to Dance in a Theater - 50’ (2006)

Cycles of the Mental Machine - 56’ (2006) 

Symphonie Déchirée - 95’ (2008) 

Les Couleurs du Prisme, la Mécanique du Temps 「プリズムの色、時間のメカニック」 - 96’ (2009) 

Contes de la Symphonie Déchirée「引き裂かれた交響曲の物語」 - 55’ (2010) 

Gavin Bryars - Dolce voce - 37’ (2012)

Si je te garde dans mes cheveux ... - 70’ (2013)

Man From Tomorrow - 40’ (2014)

 

 

 

日本で上映された彼女の作品はこの内、

フィリップ・グラスやラモンテ・ヤング、それにコー監督のパートナーであり、フランスにおけるミニマル・ミュージックの守護神でもあった音楽評論家のダニエル・コー、といった面々が綺羅星のように登場する

「プリズムの色、時間のメカニック」Les Couleurs du Prisme, la Mécanique du Temps

 

また、リュック・フェラーリの「引き裂かれた交響曲」をテーマにマリア・カラス邸で撮影された

「引き裂かれた交響曲の物語」Contes de la Symphonie Déchirée(発売中のCDに挿入されているものとは別作品)

そして

リュック・フェラーリとほとんど何もない」Presque Rien avec Luc Ferrari

 

そして今回のジェフ・ミルズ主演

Man From Tomorrow

になります。

 

このうち「プリズムの色~」と「引き裂かれた~」は2011年に東京と京阪神で上映されました。

その時のリンクはこちら。

 

映画で聴く電子音楽の異才~リュック・フェラーリ~(リンク内期限切れ)

 

ジャクリーヌ・コー 新作映画上映とトーク  : 大阪アーツアポリア

 

ochiaisoup - 2011.12.18 (Sun) FERRARI IN SOUP

 

もちろん現在も新作の企画を何本も抱えておられるコー監督ですが、3月14日にはパリの”Maison Des Cultures du Monde”でモロッコの歌手”Cheikha Hadda Ouakki”についてのドキュメンタリー映画の上映とパフォーマンスが行われ、こちらも大盛況だった模様です。プレスク・リヤン協会本部からいただいた写真を転載しておきますね。

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会場では前出のダニエル・コー氏の本も販売されていたようです。

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この”Maison Des Cultures du Monde”は日本でもおなじみのアリアンス・フランセーズの劇場で、このイベントは3月から6月まで開催されるイベント、”Festival de L'Imaginaire”の一環として上映されました。

 

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この企画では世界中のさまざまな民族音楽の映画の上映などがある様子ですが、残念なことに日本からの参加作品はなかった模様です。

 

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なお、今回上映されたコー監督のこの作品はパイロット版ということで、いずれは長編作品として公開される予定だということです。いつか特集上映があるといいですね。

 

また何か新しい情報が入った折にはお知らせします。

 

 

 

 

【関連過去記事】

 

 

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