ヴォルテール通り11番地、地下2階……。
トルミン伍長:フンフン♪フンフンフーン♪
ルスタロ少佐:おいおいトルミン!それを口ずさんじゃいかん!極秘任務だと前回、いや先月言っただろうが!
ト:だって少佐~。あの時聴いたリュック・フェラーリのピアノ曲にすっかりハマってしまったんですもーん☆
リュック・フェラーリ銀盤解説大作戦(第一回) - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)
少:あぁ、全く君が先にワクワクしてどうするんだ………しかしピアノ曲が好きなようだな。よろしい、それでは今日はこれを聴いてもらうとするか……
ト:キャー!少佐ったらエッチ!ジャケットに裸の人がいっぱいいますよー!
少:ふっ。何をこの程度で……このジャケットを誰が描いたと思ってるんだ。あのジャック・ブリソ画伯だぞ!大体がフェラーリのジャケットの『きわどさ』ときたら、こんな程度じゃ済まな…コホン、いや、まぁ、今回は特別に1987年発売当時の貴重なLP版を持ってきてやったのだから、大事に扱いたまえ。さあ、それでは早速恒例の傍受タイムだ!
ト:それでは失礼して……むむ?…およよ?あぁ、ピアノの音は確かにしますが…雨音のような、レコードのノイズのようなプチプチした音、それに犬の声、鳥も鳴いてますね…?
少:うむ。君もどうやら順調にフェラーリの真髄に分け入ってるようだね。このように環境音を取り込んだ音楽こそが彼の「逸話的音楽」の特徴であり、そもそも…
ト:ぎャンッ!!
少:な、なんだ!?どうした??
ト:パパパ、パーカッションが入ってますよ!!
少:はっはっは、今のはスーパースリーなみのいいリアクションだったな……
ト:そっ、それもなんか、これザルブみたいな音がしてますけど…?
少:ザルブ?ああ、イランの太鼓だね。ふっ……まあ可能性はあるだろうな。この「細胞75」でパーカッションを担当したPablo Cuecoは作曲家やジャズパーカッショニストであると同時にザルビストとしても有名であり…
ト:えーっ!Pablo Cueco!? Transes Européennesの代表じゃないですか!ワールド・ミュージックやジャズ、現代音楽なんかを横断的かつコアに紹介している老舗レーベルですよ!
少:おお、私に劣らぬいかにもな説明セリ……いや、意外と詳しいではないか、トルミン。
ト:そりゃあ私だってやるときゃやりますよ。演奏家としてはジョルジュ・アペルギスやシルヴァン・カサップやなんかともコラボしてるんですよね。いやー、それにしてもこのひたすら繰り返される音の粒、まさに『細胞』ですね~。これが30分も続くのか。高揚感ハンパないわ~。
少:反復音楽が好きならこんなのもあるぞ。ほれ、例えば…
ト:スト~ップ少佐!これ最後まで聴かせてくださいよ。ドゥンパクパクドゥンドゥンパクパク…♪
少:やれやれ、始まってしまったか…。ま、今回の作品はジャズファンやワールド・ミュージックファンにもオススメの一曲だな。よし、調査ご苦労。下がってよろしい。今後も報告を命じる!次回も頼んだぞ!
ト:イエッサー!
今日聴いたLPは...
Cellule 75 / Collection 85 (レーベル:La Muse En Circuit France) より
トラック1 Cellule 75
でした♪
次回の「銀盤解説大作戦」もどうぞお楽しみに!
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