リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

フランス現代音楽における重要な作曲家の一人である、リュック・フェラーリ(Luc Ferrari:1929~2005)に関する情報を主に日本語でお伝えします。プレスク・リヤン協会(Association Presque Rien)は彼の友人達によってパリで設立されました。現在もその精力的な活動の下で続々と彼の新しい作品や楽曲、映画、インスタレーションなどが上演されています。 なお、より詳しい情報は、associationpresquerien@gmail.comまでお問い合わせください

「リュック・フェラーリ銀盤解説大作戦」【第2回】

 

ヴォルテール通り11番地、地下2階……。

 

トルミン伍長:フンフン♪フンフンフーン♪

 

ルスタロ少佐:おいおいトルミン!それを口ずさんじゃいかん!極秘任務だと前回、いや先月言っただろうが!

 

ト:だって少佐~。あの時聴いたリュック・フェラーリピアノ曲にすっかりハマってしまったんですもーん☆

 

 リュック・フェラーリ銀盤解説大作戦(第一回) - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

 

 

少:あぁ、全く君が先にワクワクしてどうするんだ………しかしピアノ曲が好きなようだな。よろしい、それでは今日はこれを聴いてもらうとするか……

 

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ト:キャー!少佐ったらエッチ!ジャケットに裸の人がいっぱいいますよー!

 

少:ふっ。何をこの程度で……このジャケットを誰が描いたと思ってるんだ。あのジャック・ブリソ画伯だぞ!大体がフェラーリのジャケットの『きわどさ』ときたら、こんな程度じゃ済まな…コホン、いや、まぁ、今回は特別に1987年発売当時の貴重なLP版を持ってきてやったのだから、大事に扱いたまえ。さあ、それでは早速恒例の傍受タイムだ!

 

ト:それでは失礼して……むむ?…およよ?あぁ、ピアノの音は確かにしますが…雨音のような、レコードのノイズのようなプチプチした音、それに犬の声、鳥も鳴いてますね…?

 

少:うむ。君もどうやら順調にフェラーリの真髄に分け入ってるようだね。このように環境音を取り込んだ音楽こそが彼の「逸話的音楽」の特徴であり、そもそも…

 

ト:ぎャンッ!!

少:な、なんだ!?どうした??

ト:パパパ、パーカッションが入ってますよ!!

少:はっはっは、今のはスーパースリーなみのいいリアクションだったな……

 

ト:そっ、それもなんか、これザルブみたいな音がしてますけど…?

 

少:ザルブ?ああ、イランの太鼓だね。ふっ……まあ可能性はあるだろうな。この「細胞75」でパーカッションを担当したPablo Cuecoは作曲家やジャズパーカッショニストであると同時にザルビストとしても有名であり…

 

ト:えーっ!Pablo Cueco!? Transes Européennesの代表じゃないですか!ワールド・ミュージックやジャズ、現代音楽なんかを横断的かつコアに紹介している老舗レーベルですよ!

 

少:おお、私に劣らぬいかにもな説明セリ……いや、意外と詳しいではないか、トルミン。

 

ト:そりゃあ私だってやるときゃやりますよ。演奏家としてはジョルジュ・アペルギスやシルヴァン・カサップやなんかともコラボしてるんですよね。いやー、それにしてもこのひたすら繰り返される音の粒、まさに『細胞』ですね~。これが30分も続くのか。高揚感ハンパないわ~。

 

少:反復音楽が好きならこんなのもあるぞ。ほれ、例えば…

 

ト:スト~ップ少佐!これ最後まで聴かせてくださいよ。ドゥンパクパクドゥンドゥンパクパク…♪

 

少:やれやれ、始まってしまったか…。ま、今回の作品はジャズファンやワールド・ミュージックファンにもオススメの一曲だな。よし、調査ご苦労。下がってよろしい。今後も報告を命じる!次回も頼んだぞ!

 

ト:イエッサー!

 

今日聴いたLP...

 

Cellule 75 / Collection 85 (レーベル:La Muse En Circuit France) より 

トラック1 Cellule 75

 

でした♪

 

次回の「銀盤解説大作戦」もどうぞお楽しみに!

 

 

 

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