リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版)

フランス現代音楽における重要な作曲家の一人である、リュック・フェラーリ(Luc Ferrari:1929~2005)に関する情報を主に日本語でお伝えします。プレスク・リヤン協会(Association Presque Rien)は彼の友人達によってパリで設立されました。現在もその精力的な活動の下で続々と彼の新しい作品や楽曲、映画、インスタレーションなどが上演されています。 なお、より詳しい情報は、associationpresquerien@gmail.comまでお問い合わせください

寄稿

【寄稿】TRANCE MUSIC FESTIVAL 2021→2022 -SENSATIONS- 公演レポート

2022/1/21(金) 豊中市立文化芸術センター 小ホール TRANCE MUSIC FESTIVAL 2021→2022 -SENSATIONS- ピアノとパーカッションのTRANCE – in Search of the Lost ( ) - ピアノ:中川賢一、パーカッション:宮本妥子、エレクトロニクス:有馬純寿 写真提供は中川…

トランスする細胞〜ピアニスト・中川賢一氏インタビュー〜

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんにちは。新しい年が明けましたが、いかがお過ごしでしょうか?今回は新春の晴れやかな気分にぴったりなコンサート「TRANCE MUSIC FESTIVAL 2021→2022 -SENSATIONS-」をご紹介します。昨年から…

時代を創造するパイオニア、アンサンブル・ノマドとフェラーリが照らしだす「音の体験」

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんにちは。 世界中を襲ったコロナ禍が収まる気配もなく2021年が明けました。イベントのキャンセルもあちこちで聞かれる中、来たる2月6日(土)に東京オペラシティ・リサイタルホールでフェラーリ…

ライブハウスは続くよどこまでも

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 作曲家の渡辺愛です。 疫病の流行で世界は不安と混乱の渦に飲み込まれています。 みなさまの生活にもダイレクトに影響していることと思います。 私もかれこれ1ヶ月以上引きこもりの日…

ジャック・ブリソ追悼

ジャック・ブリソが亡くなった。リュック・フェラーリと同い歳だったので、90歳。一昨年、彼の自宅で会った時は、奥さんと一緒にお元気そうだった。最近体調が芳しくなかったことは訃報の後に聞いた。 私は2015年から四年間、生前のリュック・フェラーリと色…

「バッド・ガールズ」ジャクリーヌ・コーの最新作を全力応援したい件 

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。今月の月報の最後のほうでも触れられた、Jacqueline Caux(ジャクリーヌ・コー)による最新作『Bad Girls des Musiques Arabes - du VIIIè siècle jusqu'à nos jours』についてどうして…

史上初!映像作品でプレスク・リヤン賞特別賞を勝ち取った気鋭のアーティスト・白承昊さんインタビュー

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 今年で5回目となるプレスク・リヤン(prix Presque Rien)賞、みなさんはもうチェックされましたか? フェラーリのサウンドアーカイブを使って自由に創作できるこのコンクールは、ク…

【寄稿】リュック・フェラーリと「大いなるリハーサル」(シュトックハウゼン編)

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 5月21日、京都の同志社大学寒梅館クローバーホールでリュック・フェラーリ生誕90周年記念企画として、リュック・フェラーリ、ジェラール・パトリス制作による「大いなるリハーサ…

【寄稿】リュック・フェラーリと「大いなるリハーサル」(メシアン編、シェルヘン編)

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 5月14日、京都の同志社大学寒梅館クローバーホールでリュック・フェラーリ、ジェラール・パトリス制作の「大いなるリハーサル」シリーズより、『メシアンの《われ死者の復活を待ち…

【この機会、逃せない!】ついにフェラーリの映画「大いなるリハーサル」を見るチャンスが5月、京都で!

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 本年生誕90周年を迎えるリュック・フェラーリ。PRIX PRESQUE RIEN 2019(プレスク・リヤン賞2019)ももちろん、世界各地でイベントが行われています。 器楽曲やラジオアート、…

時代を視た男、野田茂則さんインタビュー

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 2019年が明けて間もなく、イギリスではフェラーリ生誕90周年イベントの開催で沸くいっぽうで、日本のフェラーリファンにはセンチメンタルな出来事がありましたね。そう、リュック・フ…

音楽作品と作曲者の意図について   〜 リュック・フェラーリLuc Ferrari《チェンバロとテープのための共同プログラム Programme commun pour clavecin et bande》(1972)をめぐって 〜  椎名亮輔

ー はじめに ー 文学の場合 音楽の場合 音楽作品の無意味性 現代における音楽美学の見方 現代音楽作品の意味・意図 ー フェラーリ《チェンバロとテープのための共同プログラム》について ー 作曲者の言葉 「政府共同綱領Programme commun de gouvernement」…

プレスク・リヤン賞常連!菊地成孔氏の粋な愛弟子、委細昌嗣さんインタビュー  

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。本日はプレスク・リヤン賞2013入選者の委細昌嗣さんのご登場です。 来る11月13日に、ドイツ人サウンドアーティストでプレスク・リヤン賞2015次席入賞者のヨハン(ヨハネス)・S・ジス…

リュック・フェラーリの「ダンボールからひとつぼし」(第10回:Murray PerahiaのBela Bartok(1981))

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 さすらいのコーナー「リュック・フェラーリの『ダンボールからひとつぼし』」、今回はわたくし渡辺愛が担当を仰せつかりました。 フェラーリ自身が生前に買ったり貰ったりしたレコー…

「プレスク・リヤン賞2017で頂点に立った、柳沢耕吉ってどんな人?」

お待たせいたしました。 昨年末開催されたPrix Presque Rien (プレスク・リヤン賞)2017でAlexandre Homerinさんと同点で、見事Premier Prixに輝いた柳沢耕吉さんのロングインタビュー、満を持して公開です! 「柳沢耕吉さん?どんな曲作るの??」 電子音楽…

【講評】Prix Presque Rien (プレスク・リヤン賞) 2017  

隔年開催で、本年で4回目となる「プレスク・リヤン賞」へ全世界から届けられた応募作で、1次、2次の選考過程を経て、最終審査を通過したものは16作品あった。それら16の候補作から最終的に賞を決定する最終審査が、去る12月6日パリ時間の午後4時からナシ…

【夏休み特別号】夏だ!お盆だ!麺子ちゃんのマンガ祭りだ!【小冊子進呈のお知らせ込み】

<お知らせ> (締めきり迫る!)【Prix Presque Rien (プレスク・リヤン賞) 2017】 PRIX PRESQUE RIEN 2017(プレスク・リヤン賞2017)の募集詳細 - リュック・フェラーリの『プレスク・リヤン協会』(簡易日本語版) リュック・フェラーリのサウン…

ピエール・アンリ追悼 : 椎名亮輔 Pierre Henry(9, DEC, 1927 ー 5, Jul, 2017)by Ryosuke Shiina

La disparition de Pierre Henry, membre de notre Association PRESQUE RIEN dès sa création en 2006, nous laisse à nouveau un vide profond. Il vivra dans notre mémoire à tous et sa musique survivra notre tristesse. 2006年の創設時以来、わたし…

リュック・フェラーリ来日の頃(その3)  

前号まで駆け足でフェラーリの初来日の頃の記憶をたどったが、既に述べたように打ち上げの席で新作の委嘱が為され、委嘱したからにはその新作を同じ「新しい世代の芸術祭」の主催によって日本で初演することが自動的に決定した。もちろん、僕としてはフェラ…

ピエール・アンリ追悼 Pierre Henry(9, DEC, 1927 ー 5, Jul, 2017)渡辺 愛 By Ai Watanabe

La disparition de Pierre Henry, membre de notre Association PRESQUE RIEN dès sa création en 2006, nous laisse à nouveau un vide profond. Il vivra dans notre mémoire à tous et sa musique survivra notre tristesse. 2006年の創設時以来、わたし…

Luc Ferrari Musiques dans les spasmes, Écrits (1951 – 2005)(「痙攣の中の音楽」)レビュー

Brunhild Ferrari & Jérôme Hansen (éd.), Luc Ferrari, Musiques dans les spasmes, Écrits (1951 – 2005), les presses du réel, 2017. リュック・フェラーリ(1929~2005)の1951年から2005年までの著作集である。編者は夫人のブリュンヒルド・フェラーリ…

【寄稿】 リュック・フェラーリ来日の頃 (その2) 

前回に続いて2002年1月のフェラーリ初来日周辺のことを書いているが、既に15年前のことで、細部の記憶が曖昧な部分もあるのはご容赦願いたい。 公的な機関にも協力を仰ぐ必要があり、フランス大使館にも連絡を取った。その時文化部担当だったエマニュエル・…

【寄稿】 リュック・フェラーリ来日の頃 (その1) 

僕個人のフェラーリとの関わりが一番密だったのは、やはり初来日とその翌年の来日の周辺だと思うので、今回はその辺のことについて書いてみる。 フェラーリといえば、今や現代音楽に関心ある層だけでなく、エレクトロニカ、実験的ポピュラー音楽全般のファン…

特集二本立て!<『リュック・フェラーリ センチメンタル・テールズ』出版記念、大いなるリミックス~センチメンタル・テールズ> 

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 お待たせしました! 創設10周年を目前に控えたプレスク・リヤン協会(本部:パリ)。 今日は日本の読者の方だけではなく、海外のみなさまにもぜひ(翻訳してでも)読んでいただきた…

プレスク・リヤン賞2015(Prix Presque Rien 2015)の講評が発表されました!

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 2年に一度の国際コンクール『プレスク・リヤン賞』(Prix Presque Rien)に注目しておられる皆様、お待たせしました! 昨年末に開催された「プレスク・リヤン賞2015(Prix Presq…

【報告】2015年12月、京都でのリュック・フェラーリ関連イベントレポート

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、いよいよ押し詰まってきた年の瀬ですが、いかがお過ごしですか? まだお仕事が納まらないあなたも、忘年会三昧で胃腸がお疲れ気味なあなたも、新年を控えて大掃除中なあなたも、ちょっと手を休めて…

【緊急企画!】プレスク・リヤン賞2015 受賞者・梅沢英樹さん単独インタビュー

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 師匠も駆け回る師走の頃ですが、当プレスク・リヤン協会日本支局では本年開催された、『プレスク・リヤン賞2015』で見事プレスク・リヤン賞を射止めた梅沢英樹さんへのインタビューを…

Festival FUTURA(フュチュラ)ってどんなイベント?

「2015年8月のリュック・フェラーリ関連イベント(欧州)」でもお伝えしたとおり、今月フランスではFestival FUTURA(以下フュチュラ)にてリュック・フェラーリの「ほとんど何もない」1番から4番までが演奏されます。フェラーリ没後10年の記念の年、しかも…

【寄稿】 ブリュンヒルドとリュック ー 奇跡の作曲家カップル ー

ジョン・レノンとオノ・ヨーコ。 フリーダ・カーロとディエゴ・リベラ。 ロベルト・シューマンとクララ・シューマン。 与謝野鉄幹と与謝野晶子。 ジョン・カサヴェテスとジーナ・ローランズ……。 世の中にアーティスティックなカップルは数多けれど。 リュッ…

「プレスク・リヤン賞2013(Prix Presque Rien2013)講評」 (全文)

全国二万五千人超のリュック・フェラーリファンのみなさま、こんばんは。 プレスク・リヤン協会(Association Presque Rien)日本支局開設準備室では「プレスク・リヤン賞2013」の審査員を務められた椎名亮輔氏による「審査を終えて~プレスク・リヤン賞…